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広島湾岸トレイル(モデル山行記)
鬼ヶ城山~白木山~602m峰~林道
(出発:JR上深川駅―芸備線、帰着:桐陽台入口バス停(JR可部駅―可部線))
2015年11月21日(土)、広島湾岸トレイル体験登山(第7回)
はじめに
広島湾岸トレイル(HWT)の体験登山もいよいよ白木山まで来た。HWTのルートは、鬼ヶ城山から白木山まで登る。そしてその後、白木山の北側にある押手山に登った後で手前の鞍部まで引き返し、林道を安佐北区三入(国道54号線)まで下る設定になっている。
ところが、昨年の集中豪雨で土石流が発生し、この林道を歩くことが非常に難しい状況になっているという。したがって今日は、白木山から西向きに張り出す尾根に乗り、本来ならば途中で右折して押手山に向かうべきところを、尾根筋をそのまま直進して下る。
最終的には、穴郷林道(支線)から穴郷林道に合流して、穴郷集落まで下る。その後、次回の備前坊山を目指して安佐北区三入(国道54号線)まで歩く。
歩行距離:約16.5km
疑問:穴郷林道=桐原(とげ)林道としてよいか
今日のコース&コースタイム
JR上深川駅(標高40m足らず)8:04-(吉川興経居館跡8:06-吉川興経墓8:06-腹切石8:07-豊島五兄弟墓8:08)-上深川橋南詰8:10-登山口(130m前後)8:25、8:31-鬼の釜入口(250m台)8:51-312m北(300m台)8:57-わずかに展望(350m前後)9:03-休憩(380m台)9:07、9:15-広島湾を見る(400m台)9:18芸予地震断層(480m前後)9:27、9:29-二十畳岩分岐(530m前後)9:34-二十畳(520m前後)9:36、9:52-二十畳分岐9:54-電波塔(670m台)10:11-林道横切る、鬼ヶ城山取付き(670m台)10:13-鬼ヶ城山(737.0m)10:26、10:33-林道に出る(720m台)10:37-分岐あり、右手前方へ(740m前後)10:47-林道に出る(710m台)10:54-山道に入る10:56-中尾山(798m)11:05-施設管理道に出る(790m前後)11:06-穴郷林道に合流する11:11-山道に取り付く11:11、11:14-林道に出る(740m台)11:18-林道分岐11:19-白木山取付き口(740m前後)11:24-743m峰(椿谷ルート分岐)11:39-バリエーションルート分岐(770m台)11:49-白木山三角点(888.9m)12:06、12:38-押手山分岐ケルン、直進(810m台)12:50-林道に出る13:15、すぐ山道に入る-すぐ林道に出る13:17、少し林道を歩いて山道に入る13:21-602m13:23-林道に出る13:26、すぐに山道に入る-林道に出る13:37、林道をそのまま下る-穴郷林道分岐14:00-祠14:39-三入に向けて右折15:12-三入公民館前15:34
- JR上深川駅(6分)上深川橋南詰(15分)鬼ヶ城山登山口(20分)鬼の釜入口(43分)二十畳岩分岐(17分)鬼ヶ城山電波塔(13分)鬼ヶ城山三角点
小計2時間22分(登山口6分、二十畳岩往復20分、電波塔2分を加える)
- 鬼ヶ城山三角点(32分)中尾山(6分)穴郷林道、途中山道あり(10分)白木山登山口
小計51分(中尾山北側の穴郷林道3分を加える)
- 白木山登山口(15分)743m峰、椿谷ルート分岐(10分)バリエーションルート分岐(17分)白木山
小計42分
- 白木山(12分)押手山分岐ケルン(25分)林道(8分)602m(14分)林道(23分)穴郷林道(39分)穴郷集落・祠(33分)三入に向けて右折(22分)三入公民館
- JR上深川駅~白木山
4時間02分(鬼ヶ城山7分を加える、二十畳岩往復20分を含む)
- 白木山~三入公民館(国道54号線近く)
2時間56分
JR上深川駅~鬼ヶ城山
今日は、JR上深川駅7:45集合、8:00出発の予定である。日の短い中、白木山から一般的ではないコースを下るため、早め早めの設定となっている。そして、そのペースについていけない場合には、白木山から先に進むことは許されず、JR白木山駅方面に降ろされることになっている。
駅前で全員の自己紹介と準備体操をして3班に別れる。三鬼会様の案内あり、地道を行く。三鬼会とは、鬼ヶ城山に関係する近隣の3つの集落が集まり、登山道の整備などを行っている会とのこと。
JR上深川駅周辺で、吉川興経居館跡、吉川興経墓、腹切石、豊島五兄弟墓をご紹介いただいた後、三篠川を上深川橋で渡る。そして、鬼ヶ城山手前の二十畳岩までご案内をいただいた。感謝!
〈写真〉吉川興経墓、8時06分
鬼ヶ城山登山口への通常ルートは、JR上深川駅西側(広島方面)の道路を右折(北向き)して、三篠川を上深川橋で渡る。そしてそのまま、道なりに集落内を北上する。地理院地図黒実線のとおりである。
〈写真〉上深川橋南詰、8時10分
登山口(標高130m前後)から東畑川左岸沿いに登り、鬼の釜入口(標高250m台)に至る。鬼の釜に行くには、そのまま直進してなおも川沿いを登る(行き止まり)という。
〈写真〉鬼ヶ城山登山口、8時25分
〈写真〉東畑川左岸を行く、8時36分
〈写真〉鬼の釜入口、8時51分
登山道は、鬼の釜入口から左(西向き)の小谷に入り、312m峰北側(標高300m台鞍部)で尾根に乗る。地理院地図黒実線のとおりである。(GPS軌跡は多少乱れている)
312m峰北側から、尾根筋を追って再び北上する。
〈写真〉312m峰北側、8時57分
多少の展望(標高350m前後、400m台)を楽しみながら、二十畳岩分岐(標高530m前後)に至る。分岐から東向きにきれいな踏み跡を行き、ちょっとした岩場を通り抜けると、二十畳岩(標高520m前後)である。
二十畳岩は、50人分以上の広さがある。広島湾岸方面の絶景が最高である。展望を楽しんで尾根まで引き返す。なお、二十畳岩の標高約520mは、メンバーの腕時計(複数)でも同様の数値を示している。
〈写真〉二十畳岩からの展望、9時38分
二十畳岩分岐から、再び尾根筋を登る。
鬼ヶ城山の電波塔(標高670m台)に登り着く。電波塔の西側をそのまま北に進めば、すぐに穴郷林道である。
〈写真〉鬼ヶ城山の電波塔、10時11分
鬼ヶ城山737.0m~中尾山798m~776m峰~白木山888.9m
鬼ヶ城山から白木山の取付きまでの間には、電波塔が3つ(鬼ヶ城山の標高670m台、中尾山798m、776m峰)ある。
そして、これらの電波塔を管理するための林道(穴郷林道)が、安佐北区可部(白木山西面の穴郷集落)から登ってきている。
したがって、鬼ヶ城山から白木山の取付きに至るには、穴郷林道を行くのが一番分かりやすく、手っ取り早い。
これに対して、広島湾岸トレイルは穴郷林道だけを行くことなく、あくまでも尾根筋を追って山道を行く。そしてそれらの山道は、地理院地図にはほとんど表示されていない。
これら尾根筋の踏み跡は、途中で東西に多少振られるものの、おおまかには〈北向き〉に行けば間違いはない。そして、途中で何度か出会う穴郷林道の位置を、その都度確認することが大切となる。
穴郷林道
穴郷林道(地理院地図の黒実線あり)には、地理院地図に記載のないような分岐も幾つかある。現地での確認が欠かせない。
まずは大まかに、穴郷林道の概略を見定めておくことにしよう。
安佐北区可部(白木山西面の穴郷集落)から登ってきた穴郷林道は、776m峰近くから中尾山798m近くを経て、鬼ヶ城山の標高670m台地点に至る。つまり、鬼ヶ城山の電波塔(標高670m台)の北側地点に至る。
穴郷林道は、鬼ヶ城山の電波塔北側から、鬼ヶ城山〈東面〉を行って終端部を迎える。これに対して、鬼ヶ城山の電波塔北側から白木山の取付き口(776m峰東側の鞍部)に至るには、鬼ヶ城山〈西面〉の穴郷林道を北上する。
穴郷林道は、途中の中尾山798m手前からは、西側にやや膨らんで中尾山798mの北側に回り込む。そこからやや右に向きを変えて、776m峰の南側から東側に回り込む。776m峰東側の鞍部に白木山取付き口がある。
穴郷林道は、776m峰東側の鞍部から白木山西側の安佐北区可部に下る。穴郷林道には、今日の白木山からの下りで再び出会うことになる(後述)。
鬼ヶ城山(737.0m)
鬼ヶ城山の電波塔(標高670m台)の北側(穴郷林道)から、鬼ヶ城山(737.0m)に取り付く。踏み跡を追って行けば鬼ヶ城山三角点はすぐそこである。
〈写真〉鬼ヶ城山取付き、10時13分
(穴郷林道を画面の正面に見送って、左手の山道に入る)
〈写真〉鬼ヶ城山三角点、10時26分
中尾山798m(電波塔あり)
鬼ヶ城山(737.0m)から北向きに踏み跡を追って行く。まもなく林道に出る(720m台鞍部)。地理院地図で確認すると、穴郷林道の枝道のようである。
再び山道に入り、北向きにゆったりと行く。標高750m台の手前(740m前後)で、左手(西側)の穴郷林道に向けて、良い踏み跡が下っている。地理院地図で確認すると、黒実線が北西(左手)~南(右手)に通っているあたりである。
ただし、GPS軌跡ではこの位置は少しずれている。常に現地で地理院地図と突き合わせながら進む必要があるだろう。
さてHWTでは、ここの踏み跡をほんのわずか穴郷林道に向けて下る。そしてすぐに、右手前方のブッシュの中に入る。あくまでも北向きに尾根筋を行くのである。
〈写真〉尾根筋を北向きに行く、10時47分
(画面左の踏み跡は、穴郷林道に向けて下っている。ここで、右手前方のブッシュの中に入る)
標高750m台西側からやや左に振られながら、中尾山798mの方角(北西向き)を向く。やがてススキが原となり、正面に中尾山798mの電波塔を見る。
ススキをかき分けて進むと、穴郷林道(標高720m前後)に飛び出す。地理院地図で確認すると、四差路(黒実線と黒破線あり)になっている辺りである。ただし、GPS軌跡ではこの位置は少しずれている。
〈写真〉正面に中尾山798mの電波塔を見る、10時54分
ここで、右手前方の林道は、地理院地図に表示はない。HWTでは、中尾山798mへ登る山道(北西向き)を完全に尾根筋を行くものとしている(地理院地図に記載なし)。
しかしながら、今日のGPS軌跡を分析した限りでは、穴郷林道から取り付いて中尾山798mに登るルートは、地理院地図の黒実線(尾根筋のやや東側)と重なる。
そして、山頂の電波施設の西を巻いて、再び穴郷林道に合流するルート(施設管理道)も、地理院地図の黒実線ではっきりと示されている。
穴郷林道は、中尾山798mの南東(標高720m前後)から西側(左手)を巻いて北側に出る。それに対して、HWTはあくまでも山道を突き進む。そのため、穴郷林道を左手前方に見送り、右手前方の林道(地理院地図表示なし)との間から山道(地理院地図表示あり)に取り付く。
〈写真〉中尾山798mに取り付く、10時56分
穴郷林道(標高720m前後)から北西向きに、中尾山798mの山頂を目指して山道(地理院地図表示あり)を登る。山頂部にある電波塔施設を西から巻いて施設管理道(地理院地図黒実線)に入り、中尾山798m北側の穴郷林道(標高750m台)まで下る。
〈写真〉中尾山798mの電波塔、11時05分
〈写真〉電波塔施設の西側を巻く、11時05分
〈写真〉施設管理道に合流する、11時06分
(ガードレールの切れ目から車道に飛び出す)
776m峰(電波塔あり)
中尾山798mの山頂部から、施設管理道(舗装)を下り、穴郷林道に合流する。地理院地図で五差路(尾根筋にちょっと表示された黒破線も含めて)になっている地点(標高750m台)である。そこのちょっとした段差をはい上がる。
〈写真〉776m峰の取付き口、11時11分
(段差をはい上がる)
段差の上(776m峰の取付き口(中尾山798m北側))から後ろを振り返る。
〈写真〉取付き口から後ろを振り返る、11時12分
(正面(ほぼ真南)に、今下りてきた中尾山798mに通じる簡易舗装道路がある。穴郷林道が、右手奥(南向き)の鬼ヶ城山方面に延びている。その穴郷林道は、左手前方から776m峰方面(北向き)にも延びている。右手前の林道は行き止まりである)
中尾山798mの北側から山道を行く。尾根筋を標高760m台で越えて、尾根から少し外れて右にずれる。標高740m台地点で再び穴郷林道(地理院地図黒実線)に合流する。
〈写真〉穴郷林道を行く、11時18分
標高750m台で、776m峰の電波塔に上がる管理道(地理院地図黒実線)を左手前方に見送って、穴郷林道(地理院地図黒実線)をさらに行く。
〈写真〉776m峰の電波塔を見る、11時19分
穴郷林道(地理院地図黒実線)は、776m峰の電波塔を南側から巻いて、電波塔の東側鞍部(標高740m前後)に至る。そしてそこが白木山取付き口である。
〈写真〉白木山取付き口、11時24分
(白木山登山口の標識を直しているところ)
穴郷林道(地理院地図黒実線)は、ここから尾根西側を可部方面に下る。
白木山888.9m
776m峰の電波塔の東側鞍部(標高740m前後)から白木山までは、ずっと樹林帯を登る。常緑広葉樹が主で今の時期の赤や黄色がほとんどないのが寂しい。
少し時間が押している。それでも正午までには白木山山頂に着きたい。少しピッチを上げて、743m峰(椿谷ルート分岐)、バリエーションルート分岐(770m台)を通過してゆく。結局12時少し過ぎに白木山山頂に着いた。
短めの昼食を取る。つかの間に山頂からの大展望をカメラに収める。いつものおじさんが地図を地面に広げて山並みの説明している。展望記録は後日作成予定。
白木山888.9m~穴郷林道~穴郷~桐原~三入
白木山(888.9m)から、ほぼ西向きに602m手前まで尾根筋を下り、穴郷林道支線に降り立つ。その後、この林道を二度三度ショートカットしながら、なおも尾根筋(山道)を西向きに下る。この間、山中で602mを通過する。
標高510m台の先からは、林道をそのまま下り、途中で穴郷林道に合流する。穴郷集落を通り抜け、次回の備前坊山を目指して安佐北区三入まで行く。
602m尾根を下る
まず、白木山(888.9m)から、北向きに少し行く。分岐(標高870m台)があり、左手(北西向き)の小尾根に入って急下る。
押手山分岐ケルン(標高810m台)手前から、小尾根は西向きとなる。地理院地図を見ると、この尾根上には602mまで黒破線が付いており、それに従う形となる。
〈写真〉押手山分岐ケルン、12時50分
(今日は、ここで右折(北向き)して押手山を目指す(地理院地図黒破線有り)ことなく、直進してそのまま尾根筋を下る)
602m峰前後の疑問点
602m峰前後で、幾度となく林道を横切っていくのだが、肝心の林道がどのように走っているのか把握できておらず、実際に歩いたルートと地理院地図表示との関係が不明確なままである。
注:(2016/09/25再踏査結果と突き合わせて、疑問点はほぼ解消した。)⇒ 2016年09月25日
標高610m台(602m峰手前)の地点で、初めて林道に出る。尾根筋の黒破線と南向きの黒破線がぶつかる地点である。
穴郷林道の枝ルートがここまで延びてきているようである。地理院地図で確認すると、この林道は、標高490m前後の地点(602m峰の西側)までしか表示されていない。
〈写真〉標高610m台の地点で林道に出る、13時15分
(林道を横切って、そのまま再び山道に入る)
広島湾岸トレイルは、原則としてあくまでも尾根を追って山道を行く。そこで、標高610m台の地点から再び山道に入り、そのまま西向きに、林道を右下にしてほんの少し行く。すぐに元の林道に出る。あっけないくらいの短い距離である。
〈写真〉ほんの少し山道を歩き、再び林道に出る(標高600m台)、13:17-13:21
ほんの少しだけ林道を西向きに行くと、山道の取付き口がある。前方の人が集まっている辺りである。
〈写真〉ほんの少しだけ林道を西向きに行くと、山道の取付き口がある(標高600m台)。13:17-13:21
再び山道に入り、西向きに行く。
〈写真〉山道を西向きに行くと、602m峰である。13時21分
(602m峰の前後は藪になっている)
藪気味の602m峰を通り抜けると、また林道に出る。
〈写真〉林道を横切って山道に入る(標高580m台)。13時26分
山道を通り抜けると、また林道に出て、また山道に入る。
〈写真〉また林道に出るので、そこからまた山道に入る(標高540m台)。13時34分
林道から山道に入る。そしてまた林道に出る。
〈写真〉林道から山道に入る。そしてまた林道に出る(標高510m前後)。13:37ー13:44
標高510m台から先は、超急坂とのことで主催者の判断で林道をそのまま下ることになる。
〈写真〉北向きの小さな尾根を巻いて、尾根西面に出たところ(標高510m前後)、13時45分
穴郷林道を下る
〈写真〉晩秋の穴郷林道を下る、14時02分
下るほどに振り返ると、白木山や中尾山798m尾根、そして602m尾根を見ることができる。途中の集落では、カリンや柑橘類をお土産に頂く。
広島高師「山男の歌」と「坊がつる讃歌」
坊がつる讃歌 – 団塊の世代一代記(Akimasa Net)より
坊がつる讃歌の元歌である広島高師「山男の歌」を作詞したのは、京都帝国大学を卒業後、すぐに広島高師の助手補(昭和11年3月~昭和15年3月)として広島に赴任した神尾明正(かんお・あきまさ)である。
神尾は日曜日になると、西中国山地の山々や広島近郊の岩場を登ったりしたようである。また、いつもは朝ごはんも食べないで下宿を飛び出していくことも多かったが、日曜日には、芸備線の始発に間に合わせるため朝四時に起きていたことなどを書き残している。(早稲田大学校友会誌「早稲田学報」1979年1月号,「坊がつる讃歌」(神尾明正)pp.25-26)
今日の広島湾岸トレイルの集合時間も早かった。JR上深川駅(芸備線)を8時には歩き始める設定で計画された。広島駅発の芸備線に間に合うバス・電車がなくて、苦労された方もいたようである。
さて今日は、途中で体調不良者が出たものの、天候も幸いして、全員で最後まで歩き切ることができた。白木山頂のみならず、下山後も家に帰り着くまで上着を羽織ることはなかった。
西中国山地「焼杉山」三角点を探し求めて
焼杉山 – 中国地方の山100選(Akimasa Net)より
今日、602mを越えて無事林道に降り立ったころ、「あの焼杉山の時の・・・」と声を掛けてくださる方がいた。お話をしてみると、2012年04月15日(残雪の焼杉山に幻の三角点を探し求めて)のメンバーであった。
いつもの私は単独での山行が圧倒的に多い。しかし中には、インターネット上で意気投合してご一緒することもある。西村保夫さん(ぶな森会)には、数年間で5回ほど、彼が主宰する会の広島・島根県境尾根ブナ山行に同行させていただいた。その中の一つが焼杉山である。
焼杉山三角点を実際に見たという記録は、私たちの山行記以外に見当たらない。
日本山岳会創立100周年国内登山(中央分水嶺踏査、2005年2月13日)では、「焼杉山三角点の位置と保存状態(東経132度7分24.7秒、北緯34度34分9.0秒)積雪3mのため未確認」としている。
上記の分水嶺踏査では、GPSを携行していたものと思われる。その数値が、日本測地系(日本測地系TOKYO)のものか、あるいは世界測地系(日本測地系2000(Japanese Geodetic Datum2000))のものかどうかは不明である。
日本測地系と世界測地系の差異について、焼杉山のある二万五千分1地形図「野入」で検討してみた。
手持ちの地形図「野入」(平成11年6月1日(1999年)発行)をみると、図郭の四隅には、日本測地系とともに世界測地系(平成14年4月1日から適用)の経緯度数値が併記されている。
検討の結果、当地域においては、日本測地系に対して世界測地系の数値は、経度で-8秒9~-9秒0、緯度で+11秒6の差があることが分かった。
参考までに、焼杉山三等三角点・村杉(むらすぎ)の緯度経度(世界測地系)は以下のとおりである。
北緯 34°34′28″.5057(山岳会表示から、約+19.5秒)
東経132°07′07″.2719(山岳会表示から、約-17.4秒)
日本測地系に置き換えるならば、焼杉山三角点の経緯度は、おおむね以下のようになる。
北緯34度34分16秒9(山岳会表示から、約+8秒)
東経132度7分16秒3(山岳会表示から、約-8秒4)
日本山岳会の数値は、どちらかと言えば、世界測地系よりも日本測地系に近い。それでもなお、かなりの誤差を含んでいるものと思われる。
一般財団法人 日本デジタル道路地図協会Web
解説1世界測地系と日本測地系の違い
(2015/11/30参照)
「日本測地系に対して世界測地系の数値が、経度で-5秒~-18秒程度、緯度で+7秒~+17秒程度、文字通り全国にわたって一様な傾向で滑らかにに変化します」(引用、原文のとおり)。