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細見谷渓畔林と十方山林道

2010年(平成22)の活動記録

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細見谷大規模林道問題、進展なし
- 湯崎英彦・新広島県知事との直接対話実現せず -

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細見谷大規模林道問題

湯崎英彦・新広島県知事に直接対話を求める

緑資源機構の廃止(2007年度末)に伴い、緑資源幹線林道事業(大規模林道事業)継続の可否は、地方公共団体(北海道および該当県)の判断にゆだねられることになりました。しかし、広島県ではその判断を2008~2009年度と二年連続して先送りしたままです。

そうした中で、広島県知事選挙が昨年実施(2009年11月投票)され、湯崎英彦新知事が誕生しました。湯崎知事は立候補中に、森水の会を含む7団体からの「環境に関するアンケートのお願い」(全候補者に配布)にていねいな回答を寄せてくれました。

湯崎新知事が今後、細見谷大規模林道問題にどのような判断を下すのか注目されます。

ただし、中国新聞記事(2010年1月13日付け)によれば、細見谷など林道事業継承について、広島県は再び判断の先送りをして、2010年度予算の計上は見送られました。

森水の会では、2010年度のはじめに、原戸祥次郎会長名で湯崎新知事との直接対話を求めるお願い文(4/20付け)を提出しました。しかし、広島県林業課から電話はあったものの、「(細見谷大規模林道に関しては)今は検討課題にもなっていないので、知事と話をする理由がない」として、対話の機会を得ることはできませんでした。

なお、2011年度も同様に、予算計上はなされていません。細見谷大規模林道事業(計画延長13.2㎞)は、両端の二軒小屋300m及び吉和西100mで、拡幅舗装化工事が一旦終了(2007年)した後は、手つかずの状態のままになっています。

上関原発建設問題

佐藤正典さんによる講演

今年のはじめ(1/10)、上関原発建設(山口県上関町)をめぐって、「瀬戸内海の生物多様性保全のための三学会合同シンポジウム」(日本生態学会、日本ベントス学会、日本鳥学会)が広島市で開催されました。

「上関周辺海域は、瀬戸内海の本来の自然環境と豊かな生物相が今なお良く残っている」貴重な場所(生物多様性ホットスポット)です。上関原発に関しては、原発に肯定的な生物学者ですら、容認できないとしています。

森水の会の今年の総会(2/14)には、佐藤正典さん(鹿児島大学理学部教授、ゴカイなどの底生生物(ベントス)研究者)をお招きして、上関原発建設問題について勉強しました。

原発では、廃熱を処理するため大量の冷却水を必要とします。日本の原発は、すべて海岸線に沿って立地しており、冷却用に大量の海水を循環させています。

そのため、海水温の上昇等による生態系への悪影響が懸念されています。特に上関では、瀬戸内海という閉鎖された環境の中で、外海とは比べ物にならないくらい影響があると考えられています。

原子力発電の本質的な問題点は、いうまでもなく、放射性物質を原料として用いる点にあります。2011年3月11日に起こった巨大地震(東北地方太平洋沖地震)および大津波によって、福島第一原子力発電所(東京電力)は壊滅的な被害を受けました。

その深刻度はチェルノブイリ(最悪レベル7)以上で、レベル8の新設も検討されているようです。

原発の安全神話は、だれが何のためにどのようにして作り上げたものなのか、被爆国・地震大国日本の一市民として、今一度真剣に考え直す時がきていると言えるでしょう。

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