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2006年11月25日

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吉和西~十方山林道(押ヶ峠探索)
(出発帰着:大向長者原線)

2006年11月25日(土)、単独

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はじめに

2006年11月25日(土)、単独
十方山林道、押ヶ峠探索
(出発帰着:大向長者原線)

押ヶ峠の位置がどうもよく分からない。峠は、両側から壁がせまっている所(標高890m台)にあって、その前後には峠より標高の高い地点はないはずだ。それにもかかわらず、二万五千分1地形図(国土地理院)では、峠より北でもう少し高度が上がって標高900m台に乗っている。

もう一つ分からないことがある。押ヶ峠の林道両側に、十方山林道完成を記念する石柱が1本づつ(文面は同じ)立っている。さらにもう1本の木柱があり、そこには昭和三十四年???と書いてある(以前に写した写真で確認)。石柱には、昭和廿八年竣工と書かれており、木柱の昭和三十四年は何を意味するのだろうか。以上二つのことを確かめたくて探索に行く。

それともう一つ。林道工事が始まった(2006年11月21日)のだ。林道入口の表示をみると、平成18年度大朝・鹿野線第8工区開設工事、期間:平成 18年10月19日~3月31日、発注者:独立行政法人緑資源機構広島地方建設部、となっている。帰りに車で二軒小屋まで回ってみた。ほぼ同じ内容で、工事名は「第4工区」となっている。どちらの側も通行止めで、しっかりとしたゲートが設けてある。乗用車の進入は不可能だ。

出発(大向長者原線)9:39-国道488号9:58-十方山林道入口10:00-コンクリート橋(沢)10:05-鉄塔下広場10:11-右手石組み10:15-沢10:17-沢(巣箱)10:21-沢(林道に水みち)10:23-左手西山林業道10:25-押ヶ峠10:27、10:45-小ピーク10:53-小尾根11:02-964m11:19、11:34-小尾根11:41-下の段の小尾根11:48-小ピーク11:51-押ヶ峠11:53-十方山林道入口12:16-大向長者原線(国道488号分岐)12:18-帰着12:37

出発地点(21分)十方山林道入口(27分)押ヶ峠
押ヶ峠(34分)964m(19分)押ヶ峠
押ヶ峠(23分)十方山林道入口(21分)帰着地点
行き48分、帰り44分、964m探索53分
総合計2時間58分(押ヶ峠18分、964m15分を加える)

大向長者原線は、大向側から数年かかって順次舗装化されていた。今日歩いてみると、最後に残っていた国道488号接続地点付近もすでに路盤整備が終わったようだ。後は舗装仕上げにかかるのであろうか。男性作業員が出て、路上の落ち葉をポンプで吸い上げている。女性作業員に声をかけられた。「クマを見たことありますか? この辺りでよく出るそうですよ!!」

押ヶ峠は、間違いなく標高900mラインが両側から一番せばまった地点(標高890m台)にある。二万五千分1地形図では、林道は押ヶ峠から北に向って、標高900m台を通過するようになっているが、明らかに間違っている。峠のほんのすぐ先まで行くと、右手に谷が開けており、林道は谷の左岸をそのまま下っている。

木柱には、昭和三十四年度竣功(広島営林署)と書かれているようだ。石柱の方は、林道開設記念(表)、昭和廿六年四月着工、昭和廿八年十一月竣工、大建木材工業株式会社(裏)となっている。十方山林道が完全に開通したのはいつなのだろうか。

「西中国山地」P.116を見ると、「吉和村の八郎橋よりヤマダチ谷を経て細見谷へ入る十方林道は、昭和二十六年に完成し五里山側の一部を伐採したがそのまま放置され、荒れるにまかされていた。昭和三十年前半に修復され、以後細見谷国有林の大規模な伐採が行われている」となっている。そして、「この林道が細見谷へ越す峠」の名称は、「<押ヶ峠オシガダオ>が正しい」としている。林道は昭和28年(1953年)の11月完成で間違いないだろう(桑原のいう昭和26年は、着工した年である)。

さて、押ヶ峠の位置が定まってくると、峠のすぐ北にあるポコン状態の小ピークが気になってきた。さらに、964mピークは見えているのだろうか、はたして、そこまで行けるのだろうか。少しづつ確かめながら登って、結局、964mに達し、そこから五里山をながめて帰って来た。登るときは、高いほうへ高いほうへとがむしゃらに登った。下る時に角度をはかっておいたので、以下ではそれを登りに置き換えてまとめてみた。

小ピーク(910m台が少しふくらんだ地点):
押ヶ峠から小ピークを24度にみる。逆に小ピークから見下ろすと184度。おそらく上から見下ろして計った角度の方が正確だろう。小ピークから249度に別のピークをみる。千両山1175mのようだ( 正確に地形図上で測ると246度位か)。

小ピークから馬ノ背状を339度で行く。やや左に振って、320度でブナ林の中のササ藪を急登する。向こう側が植林帯の小尾根に出る(標高930m台)。

そのまま、やや平坦な槇道を004度で進む。やや左350度に振る(標高940m台)。右手自然林は小潅木多く前進困難。すぐに左手植林帯に入り、296度で急登する。登り切った所が964mピークである。

194度に見えるのは、吉和冠山か。その右に寂地山などが連なるようだ。245度に千両山、332度に見えるのは五里山1130m台か。ソフト上で検討した結果では、五里山のピーク(343度)そのものは、、手前に張り出した尾根にじゃまされて見えないという。63度に十方山、87度に黒ダキ山も樹間に見えている。

五里山の懐には御境(オサカエ)からの林道がはっきりと見えている。それにしても、964m右手から回り込むようにして、五里山まで尾根が続いているようだ。つまり、964mは五里山から流れる尾根の末端に位置している。ここから五里山までヤブ漕ぎで登ることも可能だろう。いつかきっと五里山は登ってみたい山なのだ。