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細見谷渓畔林と十方山林道

2000年(平成12)の活動記録

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ひろしま百山(私の踏み跡)>> 細見谷渓畔林と十方山林道 >>「創立20周年記念誌(草稿)

10周年記念行事を行う
- 田島征三講演会、猪山交流会、村上弘さんと語ろう -

このページの目次です

西中国山地ブナの森づくり

過去に3年連続で植林を行う

「西中国山地ブナの森づくり」の植林地は現在3か所にあります。

最初(1996年4月、11月植林)の植林地は、(有)村上造林(村上弘社長)の社有林(もみの木森林公園東隣り)です。翌年(1997年4月植林)行った中津谷川沿い(2か所に分散)も村上造林からお借りしているものです。いずれも吉和村(現・広島県廿日市市吉和)にあります。

植林地は、さらにもう1か所あります。戸河内町猪山(現・広島県山県郡安芸太田町猪山、いのしやま)地区にある「猪山森林協同組合の共有地」のもので、1998年3月に植林をしました。

トチの苗木をいただく(広島県第二の大トチの実から自生、比和町)

さて次の植林をどうするか。場所の選定もさることながら、苗畑では植林に適した大きさまで育っている苗が不足しています。そうした中で、自生のトチの苗を提供してもよいという話しがあり、さっそく飛んで行きました。

訪問先は、比婆郡比和町(現・庄原市比和町)の高橋さん宅です。広島県下で二番目に大きいというトチの木のまわりには、落ちた種から育った苗がたくさんあります。高橋さんから、広葉樹を育てているのなら苗を提供します、という電話を森水の会宛てにいただいていたのです。

10周年記念行事

10周年記念誌を作ろう

森と水と土を考える会は、本年5月27日で設立10周年を迎えました。そこで今年の総会(1/30)では、「記念誌を作る」という年間目標を掲げていました。

原哲之さんが、準備資料として会報の1号から最新号までの分のタイトル表を作ってくれました。まずは、その中からおもしろい記事を抜粋して編集するつもりでいました。そうした記事に、立場の異なる様々な会員のコメントを加えて、森水の会らしく多様性のある紙面構成にすることを考えていました。

しかしながら、そうこうしているうちに大規模林道問題が新しい段階に入り、十年史に力を注ぐことがむつかしくなりました。さらに、編集作業の要であった原哲之さんが、2005年春に病気で亡くなってしまいました(享年41歳)。そうしたこともあって、記念誌発行は、20周年を迎える2010年5月現在中断したままとなっています。

田島征三講演会

森水の会十周年記念行事の第一弾として、講演会「田島征三が語る」(3/4)を実施しました。副題は“絵本のこと・環境のこと・生きること”です。会場内では、パネル展示や物品販売(絵本など)も行われ、大勢の人が参加しました。

猪山交流会

猪山では、お近づきになった1996年からほぼ毎年夏には、地元の方々との交流会を行ってきました。一泊のキャンプ形式で、宿舎の世話から大量の猪肉の提供、尺八や地元の五輪太鼓の催しなど、その度に破格の歓迎を受けてきました。加えて、秋祭り、地区運動会や神楽への招待などもいただきました。

こうした関係では、あまりにも地元の方々に負担をかけすぎることにならないだろうか。別のやり方は何かないものだろうか。検討課題は多いのですが、都市と山里の交流はどうあるべきか、答えはなかなか見つかりません。

それはともかく、今年の猪山交流会(7/22~23)は、森水の会設立10周年の記念すべき交流会です。田中幾太郎さんも参加してくださり、翌日(7/23)午前中の下草刈りを終わってから、昼食後お話「西中国山地の自然と野生動物のいま」をしていただきました。

村上弘さんと語ろう

森水の会設立10周年記念トーク(11/19)では、(有)村上造林の村上弘社長をお招きしてお話をうかがいました。トークの中で村上さんは、山林管理の基本的考え方について次のように述べています。

「たまたま今は私が管理していますが、子孫に残すために預かっているだけなのです。もちろん私の子や孫だけではありません。もっと大きい意味で将来ずっと残さなくてはならないと考えているのです」(森水会報2000年11月号)。

森水の会で掲げている北米先住民族の言葉、「自然とは祖先からの授かりものではなく、子孫からの預かりものである」と相通じる考え方です。

細見谷大規模林道問題 (再評価委員会開かれる)

原戸祥次郎さん、再評価委員会で意見陳述(路線変更などを求める)

今年2000年の大規模林道事業再評価委員会(林野庁)で、大朝・鹿野線(細見谷渓畔林を含んでいる路線)が対象になりました。森水の会では、原戸会長名で「路線変更等を求める」要望書を提出(7/10付け)しました。

再評価委員会の意見陳述が広島県吉和村で行なわれ(10/26)、原戸さんが出席しました。意見陳述したのは全部で5名、原戸さん以外では、吉和村長、戸河内町長、近畿中国森林管理局広島所長、広島県林業振興課長とすべて工事推進の立場の人たちです。

再評価の概要(幅員を縮小するなどした上で継続)

今年の再評価の概要は、森水の会からの質問状に対する回答書(緑資源公団)で確認することができます。(翌年、森水会報2001年7月16日号p.4に抜粋掲載)

「計画路線を一部変更のうえ継続:
本区間は、森林管理・施業への効果、森林の総合利用施設へのアクセス改善及びワサビ栽培振興等地域振興への効果が期待され、地元の要望も強いことから、環境保全への配慮等のために、幅員を縮小するなど計画路線の一部変更した上で、事業を継続することとする。この計画路線の変更は、費用等からみても妥当と考えられる。なお、渓畔林部分については、環境保全に十分配慮して事業を実施する必要がある。

(4)公団としては、この結果に基づき、以下のとおり、自然環境の保全に万全を期して規格・構造等を大幅に見直し、事業を進めていく考えである。
1)当該区間の残りの工事については、計画路線上にある既設の林道を極力活用する。
2)特に、渓畔林を通過する部分については、
1.イヌブナ等の巨樹は伐採しないこととし、幅員3~4m程度の既設林道を原則として拡幅しない。
2.既設林道が未舗装であることから降雨等による土砂流出等を防止するため、舗装及び排水施設等必要最小限の整備を行う。
3.この結果、既設林道より大規模な道路を建設するものではない。」
(引用、ここまで)

幅員を縮小するなど計画路線を一部変更する
渓畔林部分は拡幅しない
しかし全体をとおして舗装する
そして西の端では新たな道を造る
ということのようです。

広島県廿日市市のホームページ「緑資源幹線林道事業 戸河内・吉和区間」(戸河内・吉和区間の経緯)をみると、次のようにまとめられています。

「林野庁が設置した再評価委員会の意見」(平成12年12月、2000年):「「環境保全への配慮等のために、幅員を縮小するなど計画路線一部を変更した上で事業を継続することとする。なお、渓畔林部分については環境保全に十分配慮して事業を実施する必要がある。」とされた。」

具体的な幅員の縮小(通常規格の7mから5mへ)や渓畔林部分の取り扱いについては、後日(2003年)変更許可がなされています。

廿日市市ホームページによれば、「大朝・鹿野線の実施計画の変更認可」(平成15年1月、2003年):「戸河内・吉和区間の一部(二軒小屋・吉和西工事区間)については幅員5mとする。なお、渓畔林部分についてはこれによらず、原則として現道を拡幅せず必要最小限の工事を行うこととする。」となっています。

ゴルフ場建設問題

田房ダム流域の水源の森基金

田房ダム上流のゴルフ場建設問題(東広島市)では、昨年「ゴルフ場建設禁止の仮処分決定」(広島地裁、1999年2月1日)が行なわれ、建設反対協議会は、供託金1,540万円(間組分)を法務局へ提出(同3/2)しました。

そして、今年に入ってから事業者の撤退意向が示されました。建設反対協議会では、工事廃止届の受理を確認した上ですべての訴えを取り下げ(9/26)ました。事実上裁判は終結し、かけがえのない水と豊かな自然を守り抜くことができました。

元々、水道水の水源(田房ダム)のわずか数十メートル上流にゴルフ場を作ろうというのですから無謀な話だったのです。

しかし、これですべてが終わったわけではありません。今でも土地はその事業者が所有しています。これから先も何が起こるか分かりません。

建設反対協議会では、1997年4月に「田房ダム流域の水源の森基金」を設立しています。これまでの活動を無にしないために、でき得る限りの土地を買い取り、将来にわたって大切な水源と自然を守り抜きたいとの強い意志を示したものです。(田房ダム上流のゴルフ場建設反対協議会事務局長 西尾俊博さん)

2000年年表

-1月30日(日)、森と水と土を考える会総会&新年会
講演/馬場浩太会員「東海村臨界事故」
(広島県立母子福祉センター、広島市中区舟入幸町)
-3月30日(木)、民間の再生資源回収センター(東広島市)見学
-4月9日(日)、トチの苗木掘り(高橋さん宅、広島県比和町)
-4月15日(土)、勉強会「上関原発の現状について」(森水事務所)
講師/羽熊直行さん(原発いらん!山口ネットワーク)
-4月16日(日)、吉和中津谷で補樹
-4月16日(日)、アースデイかがわin豊島
主催/環瀬戸内海会議
-4月30日(日)、シイタケのコマ打ち、山口さん宅(広島市東区福田)
-5月14日(日)、苗畑草取り(吉和村)
-5月22日(月)、デポジットマシン見学(広島県世羅町役場)
-5月27日(土)、村上真平さん「農の在り方を求めて」
日本国際ボランティアセンター(JVC)タイ国派遣中
(カトリック観音町教会、広島市西区観音町)
-5月30日(火)、森水の市バザー(のら屋の横)
雨にて5/27(土)から順延
-6月11日(日)、苗畑草取り(吉和村)
-6月24~25日(土・日)、環瀬戸内海会議総会(広島県東広島市)
–24日:第11回総会、懇親会
(国民年金健康保養センター「ひがし広島」)
–25日:田房ダム上流ゴルフ場建設予定地見学
記念講演/山田国広さん(京都精華大学教授)
(正力第2集会所、広島県東広島市八本松町)
-7月10日(月)、大規模林道事業再評価検討委員会(7/11開催)宛て要望書提出(会長・原戸祥次郎)
-7月22~23日(土・日)、猪山交流会(森水の会設立10周年記念行事)
–22日:交流会/猪山五輪太鼓、琴古流尺八など、フォーク弾き語り「凪の座」(山口県光市在住)はメンバー緊急入院にて中止(代役なし)
–23日:草刈り、お話/田中幾太郎さん「西中国山地は今」
-8月27日(日)、夏の下草刈り(もみの木森林公園東隣り植林地)
-9月3日(日)、苗畑草取り(吉和村)
苗畑には毎月行っている(会報未記載の場合あり)
-10月1日(日)、苗畑草取り(吉和村)
-10月14~15日(土・日)、猪山秋祭りで地元の方々と交流
猪山神楽を見に行きませんか?
-10月26日(木)、再評価検討委員会で原戸会長意見陳述
(広島県吉和村中央公民館)
-10月28日(土)、森水の市バザー(のら屋の横)
-11月19日(日)、トークin吉和(森水の会設立10周年記念行事)
–植林地(もみの木森林公園東隣り)見学&周辺散策
–村上弘さんと語ろう

その他資料

-中国新聞記事(2000年9月27日付け)
白木のごみ処分場計画、他候補地選定を検討
経済環境委で広島市答弁
広島市安佐北区白木町大谷地区
不燃ごみ埋め立て処分場
-森水会報2000年7月通巻100号
デポジット法制定ネットワーク広島ニュース
衆議院議員に##増原義剛##さんが当選・・・
##連続講演会の最初に講師で来ていただきました##
上記事実不明
-中国新聞記事(2000年5月8日付け)
原発予定地にナメクジウオ、上関 危惧種30匹

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