カテゴリー
細見谷渓畔林と十方山林道

1999年(平成11)の活動記録

Akimasa Net
ひろしま百山(私の踏み跡)>> 細見谷渓畔林と十方山林道 >>「創立20周年記念誌(草稿)

田房ダム上流のゴルフ場建設工事
- 全国初の本工事中止の仮処分決定 -

このページの目次です

西中国山地ブナの森づくり

各植林地の様子(過去3年連続で植林)

森水の会では、過去三年連続で植林を行ってきました。植林地は、”もみの木森林公園東隣り”と”中津谷川上流”(いずれも佐伯郡吉和村、村上造林社有地)、そして”猪山”(山県郡戸河内町猪山、猪山森林協同組合の共有林)の3か所にあります。

もみの木森林公園東隣り(1996年4月、11月の2回に分けて植林)では、6割程度が順調に育っています。夏には下草刈りを2回(7/29、8/29)行いました。

中津谷の植林地2か所(1997年4月の同一日に植林)のうち、広島・島根県境近くの広場は一昨年の水不足で8割くらい枯れたため、今年春(4/18)に再植林を行いました。中流部分の道路残土広場の植林地は、予想以上に活着しています。

猪山共有林(1998年3月植林)では、トチ、クリなどが大きく葉を広げています。

植林の苦労話、そして苗木の管理のことなど

植林をするためには、当然のことですが、まず第一に植林地を確保しなければなりません。そして前草刈りなどの整地作業を行って、やっと植林ができるようになります。

ところで一度植林をすれば、後は放っておいてよいかというとそうではありません。

苗木を覆いつくさんばかりに伸びてくる草を刈り取らなければ、苗木が負けてしまいます。植林作業そのものはもちろんのこと、植林前も後も人手がかかります。人手不足のなかで、原哲之さん、畠中陽一さんの会員お二人は今年度の植林作業皆勤でした。

私たちは、植林用の苗木を吉和村役場近くの苗畑で種から育てています。

しかし、ブナがすべてネズミに食べられてしまうなど、苗畑の管理もなかなか大変です。今ある苗木は2年物で小さく、来年の植林には間に合いそうもありません。また、苗畑の草取りは毎月第一日曜日と決めていましたが、参加者を大幅に増やすことはできませんでした。そうした中で、塚定孝徳・セツコさんご夫妻はウィークデイに苗畑の手入れに通われました。

広報活動-他団体との交流など

ドングリ種まきと苗木の植え替え(広島県吉和村)で、NHK教育テレビの取材(昨年11/29)を受け、今年に入って「くらし発見/川にそって」と題して放映(1/4、1/8、1/11同じもの繰り返し)されました。

ひろしま緑づくりインフォメーションセンター第1回交流会(6/27)に出席しました。同センターは今年5月に発足したもので、「森水の会」も発足と同時に加盟しています。同センターの加盟団体の一つである「もりメイト倶楽部Hiroshima」には、昨年の植林地下草刈りで会長さん、事務局長さんに参加していただきご指導を受けました。

特定非営利活動法人ひろしまNPOセンター(昨年発足)が主催するNPO活動奨励賞(NPO活動団体に対する資金・物品の援助)でプレゼンテーション(11/21)を行い、パソコンの提供を受けることになりました。

細見谷大規模林道問題

春秋のウォーキング(春恒例の十方林道、秋は苅尾山に変更)

春の十方林道ウォーキング(5/16)では、田中幾太郎さんの熱のこもった軽妙な緑陰トーク「西中国山地、魅力ある山々、そしてクマたちは今」を楽しみました。

秋の”どんぐりハイキングin夏焼峠・砥石郷山”(11/7)は、ブナの種を集めることを主な目的として計画していました。ところが台風18号による通行止めで、場所を苅尾山(臥龍山)に変更せざるを得ませんでした。しかもブナの種は、もともと不作年だったのか全く採取できませんでした。

なお、大規模林道問題そのものに関しては、今年は特筆すべき活動をすることはできませんでした。

ゴルフ場建設問題

田房ダム上流のゴルフ場建設工事

東広島市の田房ダム上流ゴルフ場建設工事着工禁止仮処分事件で、広島地裁は、ゴルフ場建設禁止の仮処分事件では全国で初めてこれを認める決定(2/1)を下しました。森水の会が、地元の方々を応援し始めたのは1996年のことであり、足かけ3年の闘いでした。

ただし、この決定には条件がついており、債務者の(株)間組に対して金1千万円、債務者恋文字開発(株)に対しては、金5千万円を供託することとなっています。

全国初の本工事中止の仮処分決定ということで反響は大きく、全国からカンパや供託金が送金されてきたため、わずか一か月後に1,540万円(間組分)を無事法務局へ提出(3/2)することができました。(田房ダム上流のゴルフ場建設反対協議会事務局長 西尾俊博さん)

ゴミ問題を考える

香川県豊島の産廃現場近くの海岸で生殖異常貝(環境ホルモンの影響か)

読売新聞は、元旦の一面トップ記事(1999年1月1日付)で、環瀬戸内海会議が豊島の産廃現場近くの海岸で行った調査によって、環境ホルモン(内分泌かく乱化学物質)の影響が疑われる生殖異常貝が確認されたことを伝えています。

豊島の問題は、豊島産廃訴訟判決(高松地裁)の「産廃撤去命令」(1996年12/26)ですべてが解決したわけではありません。産廃が島にある限りその影響は残り続けます。もしかしたら、撤去が完了した後ですら、何らかの影響が出てくることがあるかもしれません。今後の継続観察が欠かせません。

広島県白木町のごみ問題

ゴミ問題は豊島だけの問題ではありません。全国各地にあります。もちろん広島市内にもあります。西川恵子さんは、地元の安佐北区白木町大谷地区(不燃ごみ埋め立て予定地)での活動を、1997年ころから「大谷だより」として会報の中で発信し続けています。

白木町では過去に、環瀬戸内海会議「立ち木トラスト4周年記念集会広島」の現地観察会(1994年11月)、生越忠さん同行の現地調査(1997年5月)が行われています。今年はあらためて、西川さんによる報告会(2/21)と現地見学会(4/25)を実施しました。

その他、この前後に現地を視察した方々は、田島征三さん(東京都日の出町在住)、小島丈児さん(地質学)、宇井純さん(沖縄大学)などです。いずれの方々も「ここは不適地であり地下水が汚染されたら大変」と述べています。

デポジット法制定ネットワーク広島

デポジット制度とは

デポジット制度とは、例えば飲料水などを販売するときに、ある一定の金額を預かり金(deposit、デポジット)として販売価格に上乗せしておき、消費者が容器を捨てずに返却した場合には、その預かり金を消費者に戻す仕組みのことです。

つまり、デポジット制度の目的は、飲料水の容器などを再利用のため回収することにあります。

デポジット法制定ネットワーク広島(設立総会開催)

デポジット法制定ネットワーク広島の設立総会を開催(2/28)しました。昨年11月から6回程度の準備会を重ねており、やっと開催にこぎつけることができました。

さっそく、広島県下の全市町村に対して、「デポジット制度(預かり金制度)の導入を求める意見書」を国に提出することに関する陳情書を送付(6/7)しました(広島市は16日に議長に手渡し)。

なお、ネットワーク広島の事務局は森水事務所に置きます。

循環型社会の実現を目指して

デポジット法が制定されればすべて解決するというものではありません。循環型社会の実現を目指して、リデュース(reduce、ごみの減量)、リユース(reuse、再使用)、リサイクル(recycle、再資源化)の3Rに加えて、リフューズ(refuse、ごみになる物の拒絶)の4R(四つの要素)が大切となります。

朝日新聞記事(1999年4月18日付け)によれば、川崎・ごみを考える市民連絡会が冊子「川崎発 ごみを出さない燃やさない市民プラン」を作成したことを紹介しています。

同連絡会は、行政にすべてを任せておくわけにはいかない、と立ち上がった組織です。この川崎発のプランは、行政と市民との関わり方について考える上でも大いに参考となりそうです。

1999年年表

やっとデポジット法制定ネットワーク広島の設立総会(2/28)を開催することができました。昨年11月から6回程度の準備会を重ねており、##中国新聞記事(日付?)や同「天風録」(日付?)##でも紹介されました。なお、事務局は森水事務所に置きます。

-1月31日(日)、森と水と土を考える会総会
(広島市西区社会福祉協議会、広島市西区福島町 )
-2月1日(月)、田房ダム上流のゴルフ場事件(広島地裁)
ゴルフ場建設禁止の仮処分事件では全国で初めてこれを認める決定
-2月21日(日)、白木町の現況をもっとよく知ろう、西川恵子会員
-2月28日(日)、デポジット法制定ネットワーク広島設立総会
講師/井口博さん(同全国ネットワーク運営委員・事務局長、弁護士)
全労災支援事業(広島県婦人教育会館、広島市中区大手町)
事務局/森と水と土を考える会事務所
-3月25日(木)、福山市加茂町の裁判傍聴
-4月11日(日)、吉和の苗畑手入れ(植え直しなど)
NHK取材1名
-4月18日(日)、西中国山地ブナの森づくり(春の植林in中津谷)
吉和村中津谷植林地二か所、トチ、ミズナラ、コナラ、クリなど約250本
NHK教育テレビ取材
-4月25日(日)、白木町大谷地区の産廃処分場計画について、現地見学会
-5月2日(日)、苗畑草取り(吉和村)、シイタケのコマ打ち(山口さん宅、広島市東区福田)
-5月16日(日)、新緑の十方林道ウォーキング&緑陰トーク
ウォーキング/二軒小屋~下山橋往復、緑陰トーク/講師・田中幾太郎さん「西中国山地、魅力ある山々、そしてクマたちは今」(下山橋付近にて)
-5月22日(土)、森水の市バザー(のら屋の横)
-6月5日(土)、学習会、柏瀬より子さん「ドイツのゴミ事情」
-6月6日(日)、苗畑草取り(吉和村)
-6月6日(日)、アースディかがわin豊島
石井亨(香川県)、阿部悦子(愛媛県)両新県議を迎えて
-6月7日(月)、デポジット法制定を求める意見書採択の陳情書提出(広島県下85町村宛て)、広島市議会議長宛て陳情書提出(6/16)
-6月10日(木)、福山市加茂町の裁判傍聴および記者会見(原戸会長ほか2名)
-6月12~13日(土・日)、環瀬戸内海会議総会(第10回)
記念講演/脇山功さん(広島市在住の瀬戸内海景観写真家)
石井亨さん(香川県豊島在住)による「豊島未来の森づくり」報告
その他各地からの報告(愛媛県今治市内、12日)
記念講演/山田国広さん(「ゴルフ場亡国論」の著者)
その他瀬戸内法について各氏の報告(今治市馬島へ移動、13日)
-6月27日(日)、ひろしま緑づくりインフォメーションセンター第1回交流会(吉和・もみの木森林公園)、主催/GIC:ひろしま緑づくりインフォメーションセンター
-6月27日(日)、学習会「ゴミってなーに?」
講師/馬場浩太会員、柏瀬より子さん
-7月4日(日)、苗畑草取り(吉和村)
-7月29日(木)、植林地の下草刈り(もみの木森林公園東隣り)
-8月7~8日(土・日)、広島県戸河内町猪山交流会(第3回)
山上茂典フォーク&トーク、琴古流尺八、猪山五輪太鼓など
(戸河内町猪山集会所)
翌8日、昨年春植林分の下草刈り(猪山森林協同組合の共有林)
-8月18日(水)、学習会/柏瀬より子さん「ドイツのゴミ事情」
-8月29日(日)、植林地の下草刈り(吉和もみの木森林公園東隣り)
-9月5日(日)、苗畑草取り(吉和村)
-9月12日(日)、豊栄町で新たな立ち木トラスト開始
産廃処分場計画あり(広島県賀茂郡豊栄町別府地区)
-9月20日(月)、ゴミ問題連続講演会(第2回)
講師/早瀬光司さん「ゴミ問題あれこれ」(広島大学総合科学部助教授)
(広島市ボランタリー支援センター、広島市役所内)
-10月3日(日)、苗畑草取り(吉和村)
-10月23日(土)、森水の市バザー(のら屋の横)
-10月25日(月)、ゴミ問題連続講演会(第3回)
講師/広島市環境局の方
(広島市ボランタリー支援センター、広島市役所内)
-11月7日(日)、どんぐりハイキングin夏焼峠・砥石郷山
(台風18号による通行止めで苅尾山に変更)
-11月21日(日)、NPO活動奨励賞でプレゼンテーション
主催/特定非営利活動法人ひろしまNPOセンター
-11月23日(火・祝)、秋の豊島集会(環瀬戸内海会議)
-11月29日(月)、ゴミ問題連続講演会(第4回)
講師/柏瀬より子さん「主婦の目で見たドイツのゴミ事情」

そのほかの資料など

-中国新聞記事(1999年6月26日付け)
白木町大谷地区で計画されている不燃ごみの埋め立て処分場計画で、地元住民団体が、計画の白紙撤回を求める請願書を広島市議会議長に提出

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。