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めだかの館~船倉山~高見山~高見山川沿い
(出発:半目藪バス停(JR宮内串戸駅―山陽本線)、帰着:宮島口桟橋(JR宮島口駅―山陽本線))
2017年02月19日(日)、広島湾岸トレイル・踏査&整備(第17回)
〈写真〉地蔵堂、14時18分
(高見川林道の地蔵橋(標高約110m)南詰め東側にある。
そして、その左脇に旧陸軍省標石がある。
広島湾要塞第三地帯標石(第5号)、明治32年6月建立である)
- 今日の山行ルート図 ⇒ GPS軌跡(2017年02月19日)
- モデル山行記(参考コースタイム有り) ⇒ Akimasa Net(2016年03月26日)山行記
- コース解説はこちらの方が詳しい ⇒ Akimasa Net(2017年02月19日)山行記(このページ)
前回の山関係者向け体験会(2016年3月26日)山行記も含めてまとめる形を取っている。 - 大野鉱山跡探索 ⇒ Akimasa Net(2009年09月13日)山行記
このページの目次です
はじめに
〈写真〉船倉山(545.9m、右端)の南山麓より(2009/09/19撮影)
(高見川ルートで船倉山に至るには、高見川左岸の375m~559m~570m台尾根(中央白雲の下のピーク群)をミニ縦走でつないで行く。このように、船倉山の周辺にはほぼ同じ高さで、しかも船倉山よりも高い山が連なっており同定がむつかしい。なお、白い建物は、船倉山の左下の木陰に隠れている)
今日の山行記の記述は、前回の山関係者向け体験会(2016年3月26日)山行記も含めてまとめる形をとった。
船倉山~高見山の山中には送電線が1本あり、南南西/北北東に延びている。今日のコースの多くの部分は、この送電線鉄塔の管理道を使わせていただくことになる。
ただし、送電線鉄塔の位置(つまり送電線)は、国土地理院地図(電子国土Web)とは微妙に異なることが多い。そうしたことも頭に入れて、地形図を楽しみながら歩くことは安全登山のためにも必要なことだろう。(当然、今日のコース上でも微妙なズレがある)
さて、今日のコースは、花こう岩が風化してできた急斜面の山肌は滑りやすいものの、随所で瀬戸内の海や島(宮島弥山など)を眺めながら歩くことができるクールなコースである。
広島湾岸トレイル(HWT)の最初の計画では、船倉山から白糸の滝を下ることにしていたという。それが、地元関係者の色よい返事が得られず、高見山ルートに変更したとのことである。ルートの変更によって、大野鉱山跡が見学できるなど正解だったのではないだろうか。
参考:大野鉱山跡については、過去の山行記「船倉山(高見川ルート)」(2009/09/13)で集中的にまとめている。その中では、関連事項として、地蔵堂と旧陸軍省標石についても、藤下憲明さん(郷土史家)の教えを請いながら、より正確と思われる情報をまとめている。
参考:高見川林道の地蔵橋(標高約110m)左岸たもとに地蔵堂と旧陸軍省標石がある。しかし、前回(2016/03/26)は見つからなかった。見逃したはずはないのだが・・・土石流でつぶされたか、と心配していたが、今日無事であることを確かめた。
今日のコース&コースタイム
半目藪バス停(70m台)9:21-(上畑口橋を渡る)-めだかの館入口9:24、9:32-(めだかの館敷地内)-左折9:40-右折9:43-左折(地理院地図黒破線)9:52-左折9:59(150m前後)-右折10:02-送電線鉄塔(No.1、140m前後)10:03-送電線鉄塔(No.2、280m前後)10:24、10:34-送電線鉄塔(No.3、320m台)10:40、10:42-送電線鉄塔(No.4、400m前後)10:52、10:55-461m分岐(450m台、右へ)10:58-送電線鉄塔(No.5、450m前後)11:02、11:03-大野権現山方面分岐(右手へ、510m前後)11:12、11:16-大野権現山方面分岐(左へ折り返す、520m前後)11:17-船倉山(545.6m)11:25、12:05-主尾根外れる(白糸の滝・高見山標識、530m台)12:09-白糸の滝分岐(480m前後)12:13、12:18-左折12:19-沢(480m台)12:19-ピーク(570m前後)12:34、12:38-高見山(559m)12:48、12:59-右折(470m台)13:09-送電線鉄塔(410m)13:15、13:23-375m手前分岐13:28-375m鉄塔(13:30、13:33)往復-375m手前分岐(左折)13:35-大野鉱山本坑跡(300m前後?)13:43、13:45ー大野鉱山跡(300m前後?)13:50-沢(250m台)13:56-ナメラ滝(240m前後)-沢(180m前後、右岸→左岸)14:10-選鉱所跡分岐(170m前後)14:11ー開けた場所(90m台)14:21-林道入口(40m台)14:28-高速道路(広島岩国道路)14:32-左折14:40-右折(山陽新幹線)14:49-左折15:00-JR山陽本線踏切15:06-国道2号線15:07、15:09-宮島口桟橋15:14
以下では、参考のため前回コースタイム(2016年3月26日)を示す。
- 半目藪バス停(1分)めだかの館(18分)送電線鉄塔No.1(17分)No.2(6分)No.3(11分)No.4(7分)No.5(14分)船倉山
小計1時間31分(めだかの館11分、送電線鉄塔No.1・6分を含む) - 船倉山(9分)白糸の滝分岐(2分)沢(15分)570m台ピーク(13分)高見山
小計39分 - 高見山(10分)375m手前(15分)沢(20分)開けた場所(7分)林道入口
小計1時間11分(開けた場所8分を含む) - 林道入口(10分)左折(8分)新幹線(18分)JR山陽本線・国道2号線(5分)宮島口桟橋
小計51分(JR線路踏切、国道交差点など信号待ち7分を含む)
- 総合計4時間54分(全ての時間を含む)
(船倉山10分、高見山32分を加える)
バス停~めだかの館~取付口
半目藪(はんめやぶ)バス停(県道30号線)で下車する。地理院地図(電子国土Web)の標高73m付近である。車道をほんの少し西向きに行き、上畑口橋で御手洗川右岸に渡る。すぐ左手に、”めだかの館”の敷地(駐車場)入口がある。
〈写真〉上畑口橋を渡る、2016年3月26日(9時19分)
めだかの館の敷地内を通り抜けてゆく(地理院地図黒実線のとおり)。敷地内はもちろん私有地である。広島湾岸トレイルでは、所有者の方の了解を得て通らせていただいている。速やかに通り抜けるようにしよう。
〈写真〉めだかの館の敷地内に入る、9時32分
建物の南側を西向きに進む。
〈写真〉めだかの館を通り抜けていく、2016年3月26日(9時31分)
(画面右上には、四季が丘団地が一段高く見えている)
途中で左手の山裾に移動して、なおも西向きに行く。
〈写真〉左側の山裾を西向きに行く、2016年3月26日(9時32分)
暗い林内をなおも西向きに行く。
〈写真〉暗い林内を行く、2016年3月26日(9時33分)
御手洗川右岸沿いを行く。西向きである。
〈写真〉御手洗川の右岸、2016年3月26日(9時34分)
取付口
小さな沢(標高70m台)を通り越す。左折して、左岸を南向きにほんの少し登る。すぐ北西に向きを変え、標高90m台まで少し登る。つまり小刻みに折り返して登る。
〈写真〉左折地点、2016年3月26日(9時37分)
(画面中央には、すぐ先の右折地点と登り道(北西向き)が見えている)
やがて、今日一日のお供である送電線の下を通り抜け(見上げても見えないかも)、地理院地図黒実線とぶつかる辺り(標高90m台)で左折する。
なお、この黒実線は、御手洗川左岸の県道30号線から延びてきている。つまり、この黒実線(道路)を通れば、県道から楽に取り付くことができる。しかし、所有者の了解を得ることができず、広島湾岸トレイルとしては、ここを通ることを断念した経緯がある。
さて、地理院地図はここから黒破線となる。私たちは、それに従って送電線西側の谷に入る。
ところで、今日は前回とは違い、左折地点手前に伐採した木材の集積基地のようなものが造られている。集積基地の右から回り込んで左折、谷筋に入る。そして、谷筋を南西向きに、ほんの少しの間、地理院地図黒破線に沿って行く。
〈写真〉左折して南西向きに登る、9時54分
その後、地理院地図黒破線から離れ、あくまでも谷筋を登る。
標高140m台で折り返すように左折(北東向き)すると、ほとんど平坦な幅広の良い道となる。
〈写真〉幅広の平坦な良い道、9時59分
第1鉄塔・・第5鉄塔~船倉山
ほとんど平坦な幅広の良い道を送電線のすぐ下(標高130m台)まで行き、右折して登ると今日最初の送電線鉄塔(第1鉄塔、標高140m台)である。
〈写真〉第1鉄塔(標高140m台)の手前、10時02分
(船倉山(545.6m)は、送電線の北側(画面の右外側)になる。見えているピークは、461m峰だろうか)
第1鉄塔(標高140m台)から、南西向きに尾根筋を追って登る。つまり、谷筋を行く送電線よりは西側を登ることになる。したがって、送電線に沿う形の地理院地図黒破線からは離れて登る。
標高240m前後で左に向きを変え、南向きに小さな谷筋を登るようになる。
〈写真〉谷筋を南向きに登る、10時19分
標高280m前後で、再び送電線鉄塔(第2鉄塔及び地理院地図黒破線)と合流する。
〈写真〉第2鉄塔(標高280m前後、第1鉄塔を見下ろす)、10時25分(10:24~10:34)
その後は、ほぼ地理院地図黒破線沿いに登る。
〈写真〉第3鉄塔(標高320m前後)、10時42分(10:40~10:42)
第3鉄塔(標高320m前後)から、地理院地図黒破線に従って、標高360m台までは尾根筋を行く。そして、その後もしばらく、地理院地図黒破線に従って右に振る。つまり、谷筋に入っていく。
〈写真〉第4鉄塔、第5鉄塔を見上げる(標高380m前後)、10時48分
標高380mくらいから標高400mまでの間では、地理院地図黒破線から東~南に大きく外れて、谷を巻いていく。
〈写真〉第4鉄塔(標高400m前後)手前の巻道、2016年3月26日(10時27分)
(地理院地図黒破線から大きく外れて、谷を巻いてゆく)
標高400m前後で、再び地理院地図黒破線と合流する。南向きにほんの少し行くと、すぐに第4鉄塔(標高400m台)がある。
〈写真〉第4鉄塔(標高400m台)10時52分(10:52~10:55)
第4鉄塔(標高400m前後)から、地理院地図黒破線に従って、小尾根を南向きに登る。そして、461m峰の西側(標高450m前後、地理院地図黒破線の分岐辺り)で尾根に乗る。
〈写真〉461m峰の西側で尾根に乗る、2016年3月26日(10時34分)
標高450m前後の地理院地図黒破線の分岐から、短い黒破線沿いに西向きの尾根に入る。地理院地図黒破線の表示はすぐになくなり、その後、高見川沿いの林道まで地理院地図の登山道表示は全く無い状態となる。
〈写真〉第5鉄塔(標高450m台)、11時03分(11:02~11:03)
第5鉄塔(標高450m台)の先で、標高470m台の小コブを越えると、尾根は南西向きに変わる。引き続き尾根筋を登る。
標高510m前後の地点に分岐があり、右手前方(西向き)に行く。左は船倉山(545.6m)の東側を巻く踏み跡であろう。
〈写真〉分岐を右にゆく(標高510m前後)、11時13分(11:12~11:16)
(大野権現山方面の縦走路に入ることになる)
標高520m前後で、北西向きの大野権現山方面の縦走路を右手前方に見送って、鋭角に左折、南向きに少し登ると船倉山(545.6m三角点)である。
〈写真〉分岐を左にゆく(標高520m前後)、11時17分
(大野権現山方面の縦走路を右手前方に見送る)
〈写真〉船倉山三角点(545.6m)、12時04分(11:25~12:05)
船倉山にて昼食。展望を楽しむ。
〈写真〉船倉山から宮島を見る、2016年3月26日(10時52分)
船倉山~570m台~高見山
白糸の滝分岐(標高540m台)を右に取り、主尾根を南東向きに下る。
〈写真〉白糸の滝分岐(標高540m台)、12時06分
(右手、白糸の滝方面に下る)
白糸の滝分岐(標高530m台)を右に取り、尾根西面を南西向きに下る。
〈写真〉白糸の滝分岐(標高530m台)、12時09分
(右手、白糸の滝方面に下る)
570m台(右手前)~559m(左奥、高見山)に向けて急下る。
〈写真〉左奥に高見山を見る(標高500m前後)、2016年3月26日(11時06分)
白糸の滝分岐(標高480m台)で、白糸の滝方面を左に分けて、右手北西向きに行く。
〈写真〉白糸の滝分岐(標高480m台)、12時13分(12:13~12:18)
(左:白糸の滝方面、右:高見山方面)
すぐに良い道を前方に見送り、左折(おおまかには西向き)する。
〈写真〉高見山分岐(標高480m台)、12時18分
(左:高見山方面)
〈写真〉高見山方面に向けて左折する、2016年3月26日(11時11分)
すぐに沢(標高480m台)を渡る。
〈写真〉沢を渡る(標高480m台)、2016年3月26日(11時11分)
尾根筋を行き、570m台ピークを乗り越えて、高見山(標高559m)に至る。
〈写真〉高見山から宮島を見る、2016年3月26日(11時39分)
高見山~林道入口~宮島口桟橋
高見山から一気に高見川沿いまで下る。花こう岩の風化した真砂土は滑りやすい。慎重に下る。
まずは、高見山山頂から東南東に流れる尾根筋を標高470m台まで下る。送電線に向かって下る形となる。
標高470m台からは、南に流れる支尾根を375mの方向に下る。地理院地図では、送電線に沿って、送電線の西側を下る形になっている。
しかしながら、標高410m台(尾根筋)で送電線鉄塔を左真横にして通り抜ける。地理院地図の送電線表示は明らかにズレている。
〈写真〉送電線鉄塔(標高410m台)、13時15分(13:15~13:23)
(地理院地図とは多少ズレて、送電線鉄塔の真横を下る)
〈写真〉経小屋山の方角に急下る(標高400m台)、13時27分
375m表示付近の送電線鉄塔を正面に見て、その手前(標高380m前後)で右折して尾根筋を離れる。その前に、送電線鉄塔まで往復してくる。展望が良い。
さて、尾根筋で右折後、大きく右に回り込むと右手前方に岩肌の高見山が荒々しい。
〈写真〉右手前方に高見山を見上げる(標高370m前後)、13時34分
尾根筋を離れて、高見川支流のある右谷を下ってゆく。
〈写真〉急坂を下る(標高330m前後)、13時39分
大野鉱山の坑道跡を2箇所(上と下)見る。標高300m台の地点で、両者の標高差は20m程度あるはずだが、今日もまたGPS軌跡はその差をうまく拾っていない。磁石の影響などがあるのだろうか。
〈写真〉大野鉱山本坑跡(標高300m台)、13時45分(13:43~13:45)
〈写真〉ズリ石が積まれた急坂を下る、2016年3月26日(12時42分)
〈写真〉大野鉱山跡(標高310m台???)、13時50分
(なぜか、下方部にある鉱山跡の方が、標高が高くなってしまう)
中尾根状態の岩尾根を下り切ると高見川(標高300m台)である。
〈写真〉高見川はもうすぐ下である、13時55分
高見川右岸を下る。標高250m前後から地理院地図では林道表示となっているが、現在では車は通れそうもない。沢(標高180m前後)を渡ってしばらく行くと、林道は車で通ることのできる状態となる。
〈写真〉沢を渡る(標高180m前後)、14時10分
地蔵堂の左脇に旧陸軍省標石を見る。前回(2016年3月26日)見逃しており、どうなったのか心配だったが、今までどおり無事であることを確認できて安心する。
地蔵堂は、地蔵橋(標高約110m)の南詰め(林道入口側)の東側にある。その左脇に旧陸軍省標石がある。
〈写真〉地蔵堂(標高110m台)、14時18分
〈写真〉陸軍省標石(標高110m台)、14時18分
標石の文字はつぶれており「陸軍省」の部分しか読めない。藤下憲明「広島県文化財ニュース」によれば「広島湾要塞第三地帯標石(第5号)、明治32年6月建立」である。
「大野瀬戸に設置された室浜砲台(Web作者注、船倉山対岸の宮島北西海岸)からの距離2250間(4095m)の区域線上に建立されたものである」という。
林道を出ると、前方に自動車専用道路(広島岩国道路)が見える。
〈写真〉林道を出たところ、14時31分
ゆったりと歩いて宮島口桟橋に至る。
参考山行記
広島湾岸トレイル・モデルコース
- Akimasa Net(2016年03月26日)山行記
めだかの館~船倉山~高見山~高見川沿い
(出発:半目藪バス停(JR宮内串戸駅―山陽本線)、帰着:宮島口桟橋(JR宮島口駅―山陽本線))