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2009年04月05日

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2009年04月05日(日)、グループ
恐羅漢山~旧羅漢山(往復)~恐羅漢山~夏焼峠
春の新雪を踏んでゆく
(出発帰着:牛小屋高原)

はじめに:

4月1日に西中国山地では雪が降り、深入山の山焼きまつり(きょう5日の予定)は一週間順延となった。そして、一週間後の12日に悪天候の場合には、お祭りは中止になるという。

昨日4日の広島市内は雨。現地はどのような状況になっているのであろうか。ちょっとした不安をかかえながら、予定どおり恐羅漢山1346.4m(広島・島根両県最高峰)に向かう。

春爛漫、現地に向かう沿道には満開の桜、そして見上げる山には山桜。ぽかぽか陽気のなかで、現地の山肌は芽吹き前の微妙な色合いをみせて光輝く。思わぬ新雪を踏みながら、儲けものの一日を過ごせて大満足。
(メンバー:Oy夫妻、Ogさん、私)

参考:
「西中国山地国定公園指定40周年・春を呼ぶ深入山山焼きまつり」
順延となった4月12日(日)が悪天候の場合は中止
(あきおおたナビ、広島県山県郡安芸太田町観光協会より)

今日のコースタイム:
牛小屋高原(37分)地蔵(48分)恐羅漢山
 小計1時間25分
恐羅漢山~旧羅漢山
 行き43分、帰り39分
恐羅漢山(50分)夏焼峠(37分)牛小屋高原
 小計1時間27分
総合計4時間14分(行動時間のみ)
(その他、恐羅漢山21分、旧羅漢山14分、恐羅漢山38分を加えず)

牛小屋高原9:33-第1リフト9:44、9:46-第2リフト横9:54-地蔵10: 10-右折10:34-急坂登りきる10:44-縦走路10:48-恐羅漢山10: 58、11:19-旧羅漢山12:02、12:16- 恐羅漢山12:55、 13:33-牛小屋高原分岐12:38-管理林道分岐14:13-夏焼峠14:23-牛小屋高原15:00?

深入山をみながら現地をめざす:

広島駅新幹線口で、Oy夫妻にOgさんと私を拾っていただく。中国縦貫道の戸河内インターで降りた車は、国道191号を益田方面めざして進む。その途中右手に深入山がある。山頂部にはわずかに白いものがみえている。しかし国道から見る限り、来週の山焼きにさしさわりはなさそうである。

小板で左折して大規模林道に入る。沿道に白いものが残るものの、車の通行にさしさわりがある訳ではない。順調に牛小屋高原の駐車場に至る。

山支度~尾根筋まで:

山支度にかかる。ここで、普段は持参することすらないスパッツを付ける。もちろん雪道対策である。手元にもう一つあったスパッツをOgさん用に持ってきた。ところが、Ogさんの分は向きを後ろ前反対に付けたようである。どうもおかしいという奥さんのご指摘を受け、恐羅漢山~旧羅漢山の鞍部で付け直す。自分用の分で前日に金具の締め方を予習してきたくらいだから、申し訳のないことをしてしまった。

さて、若いOgさんが先頭を切って登る。スキー場を直登するこのコースはきつい。こちらが置いて行かれそうになる。奥さんがほんのちょっと遅れ気味か。私が先頭になり、雪の坂道でステップをきざんで登る。

自分のペースに落とせて心地よいリズムである。地蔵から上で、尾根を右手にして行く辺りは、体調によってゆったり行ける時もあれば、ものすごく急坂に感じることもある。今日は足もとに気をつけながら余裕を持って歩く。途中、根曲がりの木をいくつかまたぎ、いつかここですでにバテて座り込んだな、とか思い出す。

右折を2回繰り返し尾根を乗り越える。そして、ほんの小さな沢のなかの岩場を登る。足をひねらないよう慎重に登れば、すぐ平坦部に至る。右に行き、右手の夏焼峠から登ってくる道に合流して左へ行く。帰りは夏焼峠へ下ろうと心に決める。

台所原をあきらめる:

山頂わずか手前の右手に台所原へ下りる道がある。少し踏み込んで観察してみた。私以外は恐羅漢山は初めてである。雪の降る前には、台所原~管理林道コースで、ブナなどの大木をたっぷり味わってもらおうと考えていたのだ。

しかし、踏みこんですぐに台所原まで下ることはあきらめた。Oy夫妻は、昨年の9月ころから山歩きをしている。いつもスパッツを付けており、はからずも雪道を歩く経験もしている。若いOgさんは昔からサッカーをやっているので体力はありそうだ、とはいうものの山歩きの経験は全くない。いずれにしても雪山を歩くメンバーではない。

恐羅漢山から旧羅漢山に向かう:

恐羅漢山からの眺めはすばらしい。先日はおそらく当地も雨だっただろう。雨上がりのなかで、割と遠くまで見えている。皆に喜んでもらえてうれしい。

さて、台所原に下らないとすれば、これからどうするか。時間的・体力的には少し物足らなさが残っているように思える。そこで、件の道標である。旧羅漢山まで25分となっている。25分ならばと奥さんも賛成する。(件の道標は、昨年の恐羅漢山スノーボーダー遭難事件を受けて、恐羅漢山周辺に設置された)

雪のなかの足跡を追って南向きに行く。しかし、途中で足跡は消えてしまった。そこから引き返したようである。後は新雪(積雪量約30cmくらい)のなかを行くのみである。下りは良いが、鞍部に至って行き詰まる。だだっ広い平地の中でどちらへ行くべきか判断がつかない。

幸いにも天気はよくて安定している。そして、一番木々の葉っぱが落ちている時期である。樹間越しに、なんとなく旧羅漢山の方角がわかる。しっかりと目をこらし、行くべきルートを見定める。ほどなく登りにかかり、その上にもルートが続いているようにみえる。これで一安心だ。途中で引き返すことなく旧羅漢山に登りつく。地図とコンパスを出すことはなかった。しかし、本来は一度でも出して見ておくべきであろう。

旧羅漢山で若いOgさんが山頂大岩の上にあがる。大岩に登る梯子はいつのころからか壊れている。この度は、壊れた梯子のそばに、岩の上まで突き出す長さの1本の木が置いてある。小枝を適度な長さを残して切ってあるので手がかり(足がかり)になるようである。

彼はすごい展望に感激している。山頂大岩の西側にまわりこめば、広見山など島根側の展望が開ける岩場があったはずである。ところが雪の中に岩がゴロゴロしている。足場がわからなくて踏み込むことなくあきらめる。

春爛漫、山肌は微妙な色合いに染まる:

恐羅漢山に帰り着く手前で、改めて内黒峠~十方山の縦走路全体を観察する。大きな谷の向こうに、芽吹き前の山肌が何ともいえない微妙な色合いで輝いている。Oyさんによれば、光線の向き、加減が変わったから、行きとはまた違った雰囲気で楽しめるという。

ところで、今回初めての同行山行を恐羅漢山と決めたのは、Oy夫妻は県外の山を歩く機会が多いので、地元広島・島根両県の最高峰である恐羅漢山をぜひ知っておいてほしいと考えたからである。

最初この時期に恐羅漢山と決めた時、枯れ木ばかりの時期に満足してもらえるだろうかと内心は心配になっていた。しかし、雪というおまけを抜きにしても、自然はそこにあるだけで圧倒的な存在感を示している。後は素直にそれを楽しむだけである。

恐羅漢山に帰り着くと、さらに空気は澄み遠くまで見とおせるようになった。鷹ノ巣山~カンノ木山辺りも見えているようである。今日はいつもと違って展望図を描くことはしなかった。しかし、写真は撮ってあるので、あとでゆっくり検討することにしよう。

恐羅漢山~夏焼峠へ下る:

恐羅漢山に帰り着き昼食をとっている間にも、雪がとけて水浸しの部分ができている。気温は高くほとんど無風状態で絶好のコンディションである。

夏焼峠に向けて北向きに下る。北向きだから日はあまり当たらないかというとそうでもない。それだけ斜面がゆるやかということだろう。進むほどに雪がとけて地肌が出ている部分が増えてくる。

粘土質の上に堆積した落ち葉で滑るのを防ぐため、少し脇を歩いたり、笹を手に持って下ったりと色々工夫をしてみる。それでも滑る。ストックを持たないOgさんが二度ばかり尻もちをついた。「下りがこんなにしんどいとは」、彼の感想である。サッカーのよいトレーニングになったことだろう。

夏焼峠への下りは、下るほどに周りの木々の背は低くなっていく。左手には、樹間越しに中ノ川山~天杉山の稜線をみる。台所原から続くブナなど自然林の美しい山々である。体力を見極めた上で、いつかご案内してみたい場所である。

無事夏焼峠に下り立てば雪は消えている。あとは遊歩道をゆったりと牛小屋高原まで下るだけ。4月初旬に新雪を踏んで歩くという思わぬ展開に大満足。皆さんに喜んでいただけて大満足。