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広島湾岸トレイル(モデル山行記)
洞所山~天狗防山~原山~鉾取山~坂山
(出発:海田総合公園(JR海田市駅―山陽本線)、帰着:JR瀬野駅―山陽本線)
2015年10月03日(土)、広島湾岸トレイル体験登山(第4回)
- 今日の山行ルート図 ⇒ GPS軌跡(2015年10月03日)
このページの目次です
はじめに
今日は、長男を伴って参加した。仮称「広島湾岸トレイル倶楽部」の将来的会員として、同行を許可していただいた。長男とは、2006年春の連休中の十方山林道をはじめとして、西中国山地の十方山、吉和冠山や焼杉山、あるいは富士山などを一緒に登ってきた。最近では孫たちも加えて、鈴ヶ峰や宮島に登ることもある。広島湾岸トレイルの理解者が一人でも増えればよいなと考えている。
注:三角点写真(未収載)
注:展望記事(未完成)
天狗防山512mの正確な位置はどこだ
天狗防山512mの正確な位置は、後日、2016年08月06日山行記で確定した。
さて今日(2015/10/03)は、ルート途中で天狗防山をピストンする設定になっている。金ヶ燈篭山~鉾取山(~坂山)の縦走路から少し外れた天狗防山に寄り道をする理由は何なのか、興味を持ちながらついて行く。そして、いよいよ天狗防山取り付き地点である。
〈写真左〉天狗防山に取り付く、10時50分
(標識は、「↑天狗"坊"山」となっている)
取り付き地点は、ちょっとした広場になっている(標高500m台)。二万五千分1地形図(手持ちのずいぶん古いもの)を広げて一応確認しておく。天狗防山(標高512m)はそこから一登りである。すぐそこだからと思いながら北向きに登り始めたものの、ピークを過ぎてもまだパーティーの前進は止まらない。
結局、最初の510m台ピーク(天狗防山512m)を通り過ぎて、そのまま北向きに、極小さな鞍部の先にある500m台コブまで行ってしまった。
そこには、ずいぶん古い展望案内版があるものの、長年月を経過して全く記載内容を読み取ることはできない(展望もない)。そして驚いたことに、そこが天狗防山512mであることを示した標識「天狗"坊"山」がある。
ここの位置は、天狗防山512m(510m台ピーク)の北側にある500m台のコブである。つまり、この標識は天狗防山512mの位置を取り違えているものと思われる。
広島湾岸トレイル(HWT)から頂いた資料(図版)を改めて検討した。天狗防山512m、そして500m台の「説明文」で下記のように正しく表現されている。
512m:天狗防山512m
500m台:朽ちた古い展望案内板、展望無し
ただし、添付ファイルをダウンロード及び印刷する過程で、四角で囲った中の「説明文」が見えなくなっていたのかもしれない。
ところで、今日の体験登山(第4回)では、500m台まで行き、ここがほんとうにピークなのかな?という疑問を持ったまま、結局は、天狗防山512mピークがどこか実際には確定することなく引き返した。
後刻、今日のGPS軌跡を検討した。地理院地図(電子国土Web)に表記されている天狗防山512mは、上記の取り付き地点(標高500mくらい)からほんの2分足らずの所にある。今日の行き帰りでも全くノーマークで通り過ぎた。
ちなみに、天狗"坊"山の標識は、地理院地図の500m等高線〈北側〉近くにある。つまり、その手前にあるほんのわずかな膨らみ(500m台コブ)を越えて、さらに北向きに、ほんの少しだけ行った地点にある。
さて、改めて私の過去の山行記(2004/10/02)で確認してみた(坂山~鉾取山~原山~天狗防山縦走)。この時は、「天狗防山を気づかないうちに通り越して、錆びついた展望案内板(日浦山方面?展望なし)を過ぎ、ヒノキ林を出ると道が左右に分かれる」としている。(2015/10/04訂正、天狗"坊"山→天狗防山)
ここで、展望案内板のある位置が500m台である。その当時から、ここが天狗防山とする標識はあったのだろうか。その時は気付かず、そのままJR安芸中野駅方面に下っている。
「あきく魅力マップシリーズ」でも、天狗防山の位置を正確に記している。ただし、その位置からすぐに左折してJR安芸中野駅方面に下っているのは、案内地図としてはやや不正確であろう。
より正確には、「天狗防山512m(510m台のピーク)から、北向きに500m台コブ(朽ちた古い展望案内板あり)を過ぎる辺りまで行く。〈左折〉してJR安芸中野駅方面に下る」とするのがよいと考える。
なお、上記マップシリーズでは、〈右折〉した先の記載がないので、現在では右の踏み跡は消失しているのかもしれない。(ただし、地理院地図(電子国土Web)には黒破線が表示されている/2016年5月20日閲覧)
注:ここで〈右折〉した場合について、『ひろしま百山』中国新聞社(1998年)p.175に次のような記述がある。(以下引用)
(略)原山から安芸中野駅へは整備された道を下ると林道に出る。横切って進むと古い案内板があり、ここからヤブ気味の急な下り坂となる。ヒノキ林を出ると、道が左右に分かれる。右の道を行く。竹林から墓地に出て、老人ホームを左に見て工場の間を抜けると、国道2号に下山する。
『ひろしま百山』p.175
私なりに上記を要約すると、原山から591m峰に向けて尾根筋を下る。591m峰手前の鞍部(標高500m台)から、591m峰の南東面を巻くようにしてゆくと、「林道に出る」。つまり、天狗防山手前のちょっとした広場(500m台)で、東向きに林道らしき跡(地理院地図の黒実線)が見える場所に出る。そこから疎林の中を進むと古い案内板があり・・・となる。
最後に、山頂につるした登頂記念の木札などは、すべて落書きのたぐいであるというのが私の持論である。
今日のコース&コースタイム
JR海田市駅前8:00-海田総合公園管理棟(190m)8:26、8:33-登山口(公園内車道最東端部)8:36、8:47-新峠(460m台)9:29、9:32-展望(500m前後)9:37、9:44-総合公園分岐(630m台)10:01-洞所山(641.1m)10:04、10:05-鞍部(530m台)10:17-旧陸軍省標石(550mちょっと)10:20-反射板(580m台)10:27-591m峰(旧陸軍省標石、天狗防山分岐)10:28-原山分岐(530m台)10:36-天狗防山取り付き(500m台)10:41、10:50-天狗防山(512m)10時51分30秒(推定位置)-朽ちた古い展望案内板(500m)10:57、10:59-天狗防山(512m)11時3分40秒(推定位置)-天狗防山取り付き(500m台)11:05-原山分岐(530m台)11:11-鞍部(500m台、鉾取山縦走路の尾根に乗る)11:17-原山(671.9m)11:48-電波塔11:50、11:55-車道に出る(590m台)12:04-車道から再び山道へ(立派な案内版、590m台)12:06-倒木処理(610m台)12:11、12:14-676m峰(憩いの広場、展望良し)12:25、13:02-鞍部(630m台)13:05-鉾取山(711.1m)13:16、13:19-平原登山口分岐13:49-514峰14:15-坂山(499.5m)14:27、14:42-神原登山口分岐(410m台)14:51-広島市水道施設15:27-バイパス工事中15:36、15:41-岩棚橋15:47-JR瀬野駅16:00
- 海田総合公園(3分)登山口(42分)新峠(32分)洞所山
小計1時間20分(新峠3分、展望7分を加える、登山口11分は加えず) - 洞所山(12分)鞍部(11分)591m峰(8分)原山分岐(5分)天狗防山取り付き(7分)展望案内板
小計52分(天狗防山取り付き9分を加える) - 展望案内板(6分)天狗防山取り付き(6分)原山分岐(6分)尾根鞍部(31分)原山(13分)立派な案内版(19分)676m峰
小計1時間26分(電波塔5分を加える) - 676m峰(14分)鉾取山(30分)平原登山口分岐(26分)514m峰(12分)坂山
小計1時間25分(鉾取山3分を加える) - 坂山(9分)神原登山口分岐(56分)岩棚橋(13分)JR瀬野駅
小計1時間18分(整理体操など5分を含む)
- 総合計(全ての時間を含む)
7時間27分(登山口11分、洞所山1分、展望案内板2分、672m峰37分、坂山15分を加える)
海田総合公園から新峠に登る
JR海田市駅~海田総合公園(管理棟)はバス移動。管理棟の標高は190mである。バス:海田町町内循環コミュニティバス(ふれあいバス)、料金100円。
管理棟前の車道を東向きに行く。左手前方には洞所山が見えている。
〈写真左〉海田総合公園前の道路、8時33分
車道が北に向きを変える地点で、全員の自己紹介、準備体操をして2班に別れる。車道を離れて、東向きに進み山道に入る。
取り付きから沢の右岸を登る。すぐに堰堤が二つあり、それらを右手にして登る。堰堤を越えて(標高290m前後)からも、そのまま右岸を行く。
二股に分かれた谷の〈左谷〉を右岸から左岸に移動(標高330m前後)して、南向きに〈右谷〉に入る(標高350mくらい)。その前後からジグ(大小あり)が始まり、右谷の右岸・左岸を行きながら新峠(460m台)まで登る。
新峠~総合公園間は、ガレ場ながらもしっかりした道が付いており、それに従って登り下りすれば、上記のとおり歩けるので何ら問題はない。
地理院地図では、最初の堰堤手前から左岸に沿って黒破線が新峠まで登っている。ただし、この表示は現地の状況を正確には表現していない。
さて、先週の体験登山(第3回)では、最後に新峠から総合公園に下った。このガレ場は疲れた脚にはきつかったが、今日の登りは思ったよりも脚が動いてくれた。今日まで5週連続で歩いており、少しずつ筋力が戻ってきたのかもしれない。うれしい。
新峠から縦走路を洞所山まで登る
新峠(460m台)から北向きに、金ヶ燈篭山~鉾取山(~坂山)の縦走路尾根を登る。きつい登りが何箇所かある。緩斜面ではゆったりと呼吸を整えておこう。
洞所山(641.1m)までの登りでは、地理院地図の境界線に付けられた登山道よりも、やや右手東側を登る。ただし現地では、尾根上にあるしっかりとした踏み跡を行けば間違いはない。
新峠から5分くらいの所に展望箇所がある。
〈写真左〉洞所山懐からの展望、9時37分
洞所山手前で、左に海田総合公園への分岐(630m台)を分ける。今日、海田総合公園からの登り始めで確認した洞所山分岐(左折、220m前後)まで下る道である。実際に通ったことのある方の感想では、無理やり切り開いた感じのルートであまり好きになれなかったという。
洞所山から591m峰を目指す
洞所山(641.1m)からそのまま北向きに、591m峰まで尾根を追ってゆく。途中の鞍部(530m台)までの下りがきつい。鞍部を過ぎ、明治期の旧陸軍省標石(550mちょっと)に続いて反射板の横(580m台)まで登れば、591m峰はもうすぐそこである。
〈写真左〉旧陸軍省標石、10時20分
(591m峰手前、呉要塞区域標石(明治32年6月)第93号)
591m峰にも旧陸軍省標石がある。昭和15年6月のもので古峠、新峠からの通し番号が付いている。なおこのような標石については、藤下憲明氏の資料に詳しい。(2015/09/13山行記参照)
〈写真左〉591m峰に旧陸軍省標石、10時28分
(陸軍輸送港域第ニ区標石(昭和15年6月10日)第8号)
591mから縦走路を外れて、天狗防山を目指す
金ヶ燈篭山~鉾取山(~坂山)の縦走路尾根は、591m峰で一旦東に向きを変えて原山(671.9m)に至る。
これに対して、広島湾岸トレイル(HWT)の設定では、591m峰からさらに北にある天狗防山(512m)に寄り道をして少し引き返し、591m峰東側の鞍部(500m台)で再び縦走路に合流するようになっている。
今日はHWTの体験登山なので、591m峰で右折(東向き)することなく、さらに北向きに天狗防山(512m)を目指す。591m峰からの下りが今日一番の難所である。少し水分の残った粘土質の斜面は滑りやすい。設置されたロープも使いながら慎重に下る。
〈写真左〉591m峰からの下り、10時33分
(ロープの順番を待つ)
530m台で急坂が一段落する。そこで右手に原山分岐を分けてなおも北向き(北東)に進む。ちなみに、後ほどこの分岐まで引き返し、原山を目指すことになる。
さて、天狗防山手前のちょっとした広場(500m台)に達する。
地理院地図では、この広場まで原山の北側(590m台)から黒実線が延びてきている。広場からその方向(東側)を見ると、確かに車一台が通れるだけの幅があるようにも見える。ただし、今は草ぼうぼうで車の通行はもちろんのこと歩くことも困難と思われる。
天狗防山を往復した後、原山に向かう
天狗防山前後の状況については、前記「天狗防山512mの正確な位置を特定する」参照。
天狗防山のピークはどこか、不確定のまま南向きに引き返す。つまり、天狗防山取り付き(ちょっとした広場、500m台)から591m峰北面の急坂手前(530m台)まで戻る。そしてそこで左折して、591m峰の北東面を南東向きにやや下りながら巻いてゆく。
〈写真左〉尾根縦走路までの巻道、11時14分
(591m峰の北東面を行く)
591m峰東側の鞍部(500m台)で、金ヶ燈篭山~鉾取山(~坂山)の尾根縦走路に復帰する。そのまま東向きに尾根を登ると、原山三角点(671.9m)である。
原山から鉾取山手前の676m峰(展望)へ
原山三角点(671.9m)から北にほんの少し下ると、巨大電波塔の横(西側、670m台)に出て、空が開ける。前方(北側)にもう一つの電波塔(赤白模様)がある。
〈写真左〉原山三角点北側の巨大電波塔、11時50分
(その先に、もう一つの電波塔を見る)
赤白模様の電波塔の横(西側)をすり抜けて、北向きに小尾根(山道)を下る。
〈写真左〉赤白の電波塔、11時55分
(電波塔の横をすり抜けてゆく)
山道から車道(600m前後)に出て少し行くと、左手後方に林道(590m台)を分ける。鎖がかかっていたように記憶している。先ほど通った天狗防山取り付き地点(ちょっとした広場)に通じる林道(地理院地図の黒実線)のはずである。
なおも車道を北向きに行くと、すぐに立派な案内板「鉾取山憩いの森」(590m台)がある。新しく付け替えたもののようである。
〈写真左〉案内板「鉾取山憩いの森」、12時06分
(ここから鉾取山に取り付く)
立派な案内板の右横から再び山道に入り、ゆったりと尾根筋を登る。途中左手に分岐(南回りコース分岐)があるものの、尾根を追って東向き(東北東)に行けば良い。
〈写真左〉南回りコース分岐、12時19分
最後の長い木段を登り切ると676m峰である。
〈写真左〉長い木段、12時21分
676m峰の方が、この先の鉾取山(711.1m)よりも展望が良い。ここで昼食とする。
〈写真左〉絵下山からの縦走路、12時26分
〈写真上〉広島市街地、12時27分
(広島市街地の向こうに西中国山地まで見通せる。
羅漢山、大峰山、吉和冠山、十方山などがはっきりと見えている)
676m峰から鉾取山を経て坂山(展望)へ
676m峰から東向きに少し下り、鞍部(630m台)から尾根筋を登れば鉾取山(711.1m)である。展望はあまり良くない。三角点の写真を撮るだけで通過する。
三角点のすぐ向こうで、やや左手の「北まわりコース」に入り、北向きに行く。実は、この北回りコース、南回りコースの意味がよく分からなかった。
〈写真上〉鉾取山三角点のすぐ先、13時18分
(鉾取山三角点の先で、北回りコースを行く)
それはともかく、標高650m前後から平原登山口分岐(410m台)まで、尾根筋を下りに下る。過去二度ばかりここを登ったことがあるが、いずれもバテバテだった。なお、この分岐までは、地理院地図に黒破線の表示があり、登山道もほぼそのとおり付いている。
平原登山口分岐からも尾根上に良い道が付いており、それに従って514m峰の先の坂山(499.5m)まで行く。坂山からの展望が素晴らしい。
〈写真上〉みどり坂の向こうに白木山、14時09分
(みどり坂の向こうに、鬼ヶ城山~白木山を見る)
坂山から神原登山口分岐を経て瀬野に下る
坂山からも、尾根筋には北東向きに良い道が続いている。459m峰手前の鞍部(神原登山口分岐、410m台)まで行き、左折して下りにかかる。
なお、この神原登山口分岐(410m台鞍部)から459m峰に向けて、北東向きにそのまま良い道が続いているように見える。
「あきく魅力マップシリーズ」(図版)では、「坂山~459m峰~神原登山口」を表示している。つまり、坂山から瀬野に下るルートとして、「459m峰手前の鞍部から下るのではなく、鞍部のさらに先(北東)にある459m峰まで登ってから下る」としている。
ただし、今日歩いた神原登山口分岐(459m峰手前の410m台鞍部)からの下り(北向き)で、右手後方(459m峰方面)から下りてくる道は確認していない。「あきく魅力マップシリーズ」(図版)が間違っている可能性もある。
さて、神原登山口分岐から、北向きに沢を2~3回渡り返しながら下る。疲れた脚にはそれなりにこたえる。
広島市水道施設が近づくと簡易舗装道となる。さらに下ると、バイパス工事中である。バイパスの下をくぐった所で、我が班だけで整理体操をして解散。さらに下って、瀬野小学校を右に見て、岩棚橋で瀬野川を渡る。
国道2号線と並行する旧道を西向きに行き、適度な所で右折、国道2号線の向こう側(北側)のJR瀬野駅に到着する。