2006年06月11日(日)、第14回大規模林道問題全国ネットワークの集い
大規模林道問題ネットワークの集い in 広島(第14回)
止めよう!緑資源幹線林道、残そう!細見谷渓畔林
(広島県立生涯学習センター)
このページの目次です
はじめに
前日(6月10日):細見谷渓畔林現地観察会及び交流会
6月11日10:00、開会
あいさつ、藤原信(宇都宮大学名誉教授)
講演1、河野昭一(国際自然保護連合IUCN-CEN)
講演2、金井塚務(広島フィールドミュージアム)
現地報告:
(山形)原敬一(葉山の自然を守る会)
(主管)原戸祥次郎(森と水と土を考える会)
-昼食-
13:00、再開
現地報告:
(北海道)寺島一男(大雪と石狩の自然を守る会)
(環瀬戸内海会議)阿部悦子
(富山)増田準三(立山自然保護ネットワーク)
(岩手)奥畑充幸(早池峰の自然を考える会)
(山を考えるジャーナリストの会)石川徹也
(週間金曜日)伊田浩之
(富士ゼロックッス端数倶楽部)井澤厚
15:00、終了
集会アピール(案)採択、閉会宣言
加藤彰紀(大規模林道問題ネットワーク事務局長)
「大規模林道はいらない」緑風出版1999年
大規模林道問題全国ネットワーク編
著者は以下の方々
藤原信、原敬一、東瀬紘一、寺島一男、奥畑充幸、石川徹也、井口博、加藤彰紀
藤原先生、75歳になる今回で引退宣言
7つの大規模林道圏
23路線1000km、スーパー林道、4.6m未舗装
スーパー林道は、大規模林道(7m)に比べれば、かわいいものだ
各県には、広域基幹林道がある
学者は何をしてきたのか(東大闘争とその後)
ドイツ林学(古典的な森林経理学)に対する林野若手官僚の台頭
京大では、四手井教授就任に伴い、造林学を生態学に改める
月刊デラシネ通信 > その他の記事 > クマの読書乱読 > 2001年2月
今月の一冊、2001年2月
森まゆみ著『森の人-四手井綱英の九十年』
河野先生、日本の生態系は非常に複雑
第三紀(要素)からもっている貴重な関係がくずれてきている
日本の植物のルーツを探る
日本とアメリカ、アパラチア山脈、サンカヨウ属などが1対1で対応している
ブナの分布も同様である
日本特有の植物:
ブナ、イヌブナ、カツラ、センノキ、ヒノキアスナロ、ヒノキ、スギなど
東京大学総合研究博物館
研究部から、東アジア植物学とデータベース(上)
デビッド・ブフォード
北米東部地域でみられるアジアの固有種、たとえばツクバネ属Buckleya、ユリノキ属Liriodendron、アケビ属Pieris、 サンカヨウ属Diphylleiaなど100種ほどのほとんどがアルパチア山脈南部に集中している。(アルパチア→アパラチア?)
ブナ、積雪量50cm以上の湿潤地帯では葉が大きい
ブナ遺伝子レベルでの研究(アロザイム多型)
種子、花粉、遺伝子の分布
集団が分断されると多様性が急激に失われる
ギャップ(大木が倒れて空いた空間)が植物新生の場として大切
環境が激変しており、集団サイズが矮小化している
森が滅ぶと川が死ぬ、酸性降下物の影響で、大台ケ原、丹沢がやられている
南アルプスの高山帯は大変なことになっている
えさがなくなり、シカがブナ帯へ上っている
林野庁は、国有林内天然林を皆伐している。倒した木をブルドーザーで引きずっていくことで、土壌層が撹乱されて生態系に壊滅的な打撃を与えている。尾根を切ると山が死ぬ、とは昔から言われてきたことである。林野庁は、今まで残しておいたアンタッチャブルの木を、今になってむちゃくちゃ切りまくっている。金のためだけに動く林野庁にはもはや存在価値はない(内閣府意見書)。
金井塚さん、一昨年は、広島・島根・山口の3県で233頭のクマを駆除した
金井塚さん、一昨年は、広島・島根・山口の3県で233頭のクマを駆除した(推定480±200)。確かに大量のクマを駆除したことによって、絶滅の恐れは増してきたといえる。しかし、全体の個体数を把握することは非常に難しい。結局は、各ポイントごとに時系列でどの様な傾向にあるのか、観察を継続していくことによって事実を積み重ねていく以外にない。
ところで、細見谷で新しい個体が生まれていることが、野外設置カメラによって確認されている。この子熊の写真は、細見谷の自然環境は大凶作の年にも出産するだけの余裕がある(豊かさがある)ことを示している。細見谷は西中国山地におけるクマ生存の最後の砦として、非常に重要な位置を占めている。
細見谷大規模林道工事の是非を問う
住民投票で示そう廿日市市民の意思!
・地元の意思とは
・自然は守られるのか
・税金を投入する価値はあるのか
廿日市市民10万人中、1万人の署名が取れれば大変なことだ
実は、大規模林道は林業には不便な道路である、大規模林道と林道は違う
実際に林業に必要な林道は今すでにあるような林道だ
クマの観察から、堅果類よりも液化類が喜ばれる
それ以上に、蛋白質を補給するためには魚類が大切なはずだ
細見谷でもクマが魚食する証拠が得られつつある
原さん、朝日山地森林生態系保護地域の設定(2003年)
コアエリアでも釣りを可としている
集中豪雨による崩壊(2004年7月)
工事は中止となったが、修復工事に血税を投入し続けている
など
原戸さん、小冊子「細見谷と十方山林道2002」
日本生態学会によって、第一級の保全措置をとるべきという決議が行われた
その後も調査を継続しており、この度「細見谷と十方山林道2006」にまとめた
調査の度にレッドデータブック対象種が見つかっている
新種として検討中のものもいくつかある
細見谷林道の通行量として、190台は多すぎないか
寺島さん、大雪、石狩
森がめちゃめちゃに伐られている
阿部さん、山が変われば海が変わる、森と海の連携
海砂採取は阻止できたが、代わって鉄鋼スラグ(強アルカリ性、Ph12.5)を
舗装道路の下敷きとして使い始めている
増田さん、立山黒部アルペンルート
マイカー規制を初めて実施した
バスは無制限に入山、ただし、アイドリングストップだけは実行されている
大規模林道は1本工事中である。ただし、山深いところにあり現在どの様な状況になっているのか把握できていない
奥畑さん、タイマグラ
2006年3月16日~19日
「第8回 リバーラン国際映画祭」(米国ノースカロライナ州ウインストンセーラム)
映画「タイマグラばあちゃん」、最優秀ドキュメンタリー賞受賞
いくら道が良くなって木材を伐りだしたところで、材の価値が下がっており利益にならない。雪で生活道路にならない。、それでは、緊急の場合には役に立つかといえば、緊急の場合、真っ先に壊れるのが大規模林道だ。
数多くの現場をみることが大切
石川さん、ルポ・東北の山と森(緑風)1996年
山を考えるジャーナリストの会の成り立ちと現在
大規模林道問題全国ネットワークとの関連など
伊田さん、週間金曜日2006年6月23日号、細見谷を取り上げる
取材者は、鎌田慧さんのようだ(下記参照)
細見谷大規模林道建設の是非を問う住民投票を実現する会、2006/06/13
「自動車絶望工場」「反骨-鈴木東民の生涯」(1990年度新田次郎賞)「怒りの臨界」 など、多数の著作で知られるジャーナリストの鎌田 慧(かまた・さとし)さんが細見谷の取材の訪れました。もちろん、大規模林道の非合理性を暴露するためです。この取材は、週間金曜日、6月23日号で発表されます。
富士ゼロックッス端数倶楽部
井澤さん、社員の大多数が会員となり、給与から100円未満の端数を集めている
質疑応答
金井塚務会長から、”住民投票を実現する会”の進捗状況について、改めて説明がありそれを踏まえて決意表明があった。そして、雰囲気は大いに盛り上がっている。市民の間では、細見谷大規模林道問題を、自然保護という観点からだけでなく、そこに含まれる構造的な問題として捉える事によって、物事を深く考えていこうとする傾向がでてきている、との認識を示した。
細見谷大規模林道建設の是非を問う住民投票を実現する会、2006/05/22
国や自治体が深刻な財政赤字の状況にあって、多額の税金を投入してまで、かけがえのない貴重な自然を破壊する危険性の高い大規模林道工事が本当に必要か否か、納税者たる市民に判断をゆだねるべく、「細見谷林道工事の是非を問う住民投票条例」の制定を請求するとして、5月13日に「細見谷大規模林道建設の是非を問う住民投票を実現する会」(代表 金井塚 務)を立ち上げました。
直接請求には、廿日市市の有権者の2%(約1900名)の署名が必要です。署名の収集には、市の選挙管理委員会(選管)に届け出た直接請求代表者と受任者が当たります。実質的な活動期間(5月27日~6月25日)
集会アピール(案)採択
集会アピール(案)採択、閉会宣言
加藤彰紀(大規模林道問題ネットワーク事務局長)