2007年10月13日

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往路:吉和冠山(ウシオ谷~クルソン谷、クルソン岩経由)
懸崖下探索、往復
復路:後冠山~広高山~小川林道
(出発:冠山登山口鉄橋、帰着:小川林道)

2007年10月13日(土)、単独(次弟)

このページの目次です

はじめに

吉和冠山(ウシオ谷~クルソン谷)
懸崖下探索の後、後冠山~広高山~小川林道
(出発潮原登山口鉄橋、帰着小川林道)

山歩き(Kさん)の追っかけで、吉和冠山(1339.0m)の懸崖から下山して、赤土峠~ウシオ谷と歩いてみようと考えた。

順調に山頂に至り、懸崖正面右手から北東の方角に急下って、ホン谷を右手に見下ろす平らな地点 (標高約1230m)まで進む。懸崖途中に岩が露出している箇所があり、さらに下った所に大きな岩が張り出している。いずれも南東側を通過した。

その先は完全にササに覆われている。Kさんのルート図では、そこから少し進んだところを右折して、小尾根に乗って赤土峠に向けて下るようになっている。しかし、その小尾根に乗る自信がなくて引き返す。懸崖下から、先程ずり落ちたコースを、両手で木の枝をしっかりとつかんで這い上がる。

懸崖に帰り着くと、何と次弟が食事中であった。小川林道に車を置いてきたという。キノコ観察に行くというので、結局、広高山まで付き合って下山、潮原まで送ってもらう。

今日のコースタイム:
登山口(27分)クルソン谷分岐(15分)クルソン岩近道分岐(12分)クルソン岩(11分)クルソン岩(国体コース)分岐(30分)吉和冠山
 小計1時間56分(クルソン谷分岐3分、クルソン岩近道分岐4分、クルソン岩14分を加える)
懸崖下往復
 小計1時間10分(往路24分、復路33分、探索13分)
吉和冠山(26分)松の木峠分岐(23分)寂地山分岐(7分)後冠山(24分)ボーギのキビレ(35分)広高山
 小計1時間55分(小休憩はすべて行動時間に含める)
広高山(24分)ボーギのキビレ(22分)小川林道最奥
 小計49分(ボーギのキビレ3分加える)
総合計6時間49分
 (冠山頂~懸崖往復2分、懸崖24分、懸崖19分、広高山14分加える)

登山口鉄橋8:36-大岩8:48-木橋8:53-クルソン谷分岐9:03、9:06-沢渡る9:16-クルソン岩近道分岐9:21、9:25-クルソン岩9:37、9:51-クルソン岩(国体コース)分岐10:02-1150m台10:06-急坂手前10:14、10:17-吉和冠山10:32-懸崖10:33、10:57- 大岩11:12-懸崖下小鞍部ぎみ11:21、11:34-懸崖12:07、12:26-吉和冠山12:27-源流12:43ー小川谷分岐12:44-松ノ木峠分岐12:53- 1282m13:13-鞍部(1270m台)分岐13:16-後冠山13:23-1210m台13:45-ボーギのキビレ1190m台13:47-1210m台(13:53、13:54)-縦走路14:11-広高山14:22、14:36- ボーギのキビレ15:00、15:03-小川林道最奥15:25

今日も潮原登山口鉄橋まで車を入れる。先着1台あり。先日は歓送迎会がありアルコールも入ったが、早めに休むことができて体調は良い。快調なペースで歩き始める。

ウシオ谷にかかるいくつかの木橋は、少し前から傷みがひどくなっていた。今日通ってみると、各橋ごとに新しい木材を切りそろえて、登山道脇に積み上げて ある。木橋を作りなおす準備はほぼ整ったようである。中にはすでに完成した木橋もある。感謝して通していただく。

久しぶりにクルソン岩まで直登する。クルソン谷沿いの分岐から南に登ることになる。クルソン岩の位置は、地形図登山道点線の標高1130m前後くらいのところであろう。樹間わずかに冠山の懸崖先端部(274度)がのぞいている。これまでの山行では気がつかなかったみたいだ。

クルソン岩の右手に冠山が写っている写真をよく見る。どこから写しているのかよく分からなかったのだが、後を振り返ると、大岩が段々状になって高まっている。そうか、あそこに登って写しているんだ、ということに今頃になって気がつく。

そこまで行って写真を撮りたい。でもちょっと段差があって危なそうだ。後で次弟に聞いた話や資料からまとめると、段々になった岩の裏の方から廻り込んで二つ目の岩(ローソク岩)に登るのだという。そこに登るのは少々危険を伴うとも書いてある。それにしても、おしいチャンスを逃してしまった。

クルソン岩からは、すぐ南に見える1129m(国体コース)の右に、三倉岳(169度)などの大竹の山々、さらに右には、横山906.3m(177度)、羅漢山(196度)などがみえる。

クルソン岩から西に向い、クルソン谷に合流して、最後の登りも順調にこなす。三角点からすぐ懸崖に至り、展望を楽しむ。

広高山(318度)の左奥に高鉢山、右奥には、赤谷山、大神ヶ岳~五里山が連なる。五里山(10度)の左に春日山、右奥に半四郎山、広見山。さらにその右、恐羅漢山の左奥に天杉山が頭を出す。

十方山右肩の天狗石山は見えているのだろうか。その右、十方山山裾の向こうに毛無山~阿佐山、そのさらに右、市間山~立岩山~日の平山のずっと向こうにかすむのは、大万木山、女亀山、猿政山、吾妻山などの島根県境尾根であろうか。その右、手前女鹿山の右奥に、龍頭山。その右手前に小室井山が大きい。その後も見えているようだがかすんでいる。カンノ木山~鷹ノ巣山、白木山あたりが見えているようだ。

少し休んで、いよいよ懸崖下目差して急坂を下る。しかしあえなく敗退(冒頭文章参照)。懸崖頂上でばったり出会った次弟の案内で、後冠山~広高山まで行く。いずれも旧・安芸国佐伯郡の山々である。思わぬ形でレパートリーを増やすことができて満足。

オオヤマレンゲの群落をみる。ヒトが大勢入り込んだのだろうか。一昨年までは気がつかなかった群落内の踏み跡が、地肌を見せてはっきりと残っている。

松の木峠分岐を右折して、1282mに至る途中で、登山道左手にロープが張ってある。オオヤマレンゲの保護区域(山口県)であることを示すものである。オオヤマレンゲは、山口県ではここ旧・錦町(新 ・岩国市の一部)のみに生育しており、絶滅危惧IA類に指定されている。

ちなみに、道路をはさんで右手は広島県であり、同じようにオオヤマレンゲが生育している。しかし、特別な保護策はとられていないようである。広島県のオオヤマレンゲは、ここ冠~寂地山系の他でも確認されている。しかしながら、個体数の少ない植物であることに変わりはない。登山道をはずれて、むやみに中へ踏み込まないという最低限のマナーは必要であろう。

1282mを過ぎて、寂地山への道を左に分けて、右へ踏み込む。以前は湿地帯だったという入口付近が、ほとんど乾いて草が繁っている。先日歩いた恐羅漢山でも、登山道上の小さな湿地が乾いているように感じる。気候変動の影響かもしれない。 なお、この先、広高山までの踏み跡は少し繁っている。

広高山からの展望はほとんどない。赤谷山~大神ヶ岳が見えるのみ。

広高山周辺では、天然と思われるアシウスギが多い。また、今日のお目当てであるキノコ類は、ブナハリやマイタケの株などをみる。ジャコウソウ、アケボノシュスラン花跡、ツクバネソウ、サルメンエビネやヤシャビシャクもみる。ユキザサの赤い実が透き通ってきれいである。植物が分かれば、山域、季節を問わず山行をもっと楽しめそうである。


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