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2005年04月24日

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植物観察会(パークボランティアの会)
(出発帰着:宮島桟橋)

2005年04月24日(土)、単独

リンドウ

〈写真〉フデリンドウ

包ヶ浦自然歩道(博打尾)~包ヶ浦を歩く

このページの目次です

はじめに

宮島の植物観察会
宮島桟橋~博打尾尾根~包ヶ浦自然歩道~包ヶ浦公園~旧道~宮島桟橋
(出発帰着:宮島桟橋)

主催:瀬戸内海国立公園宮島地区パークボランティアの会
集合:午前9時30分、宮島桟橋待合室2階

中国新聞の参加募集記事に応募する。予定30名に対して倍以上の66名が参加したようだ。9時半過ぎからパークボランティア活動の趣旨、今日の予定等について、今日の責任者(副会長)、会長および環境省自然保護官の話があり、体操の後、各リーダーの元に6班に班分けして出発する。宮島桟橋に戻ってきたのは、3時35分ごろであった。

パークボランティアの会とは

パークボランティアとは、全国各地の国立公園において、環境省の活動に協力する立場の民間人として、各地区の自然保護事務所(環境省自然環境局の出先機関)に登録されている人たちだ。

瀬戸内海国立公園宮島地区は、山陽四国地区自然保護事務所(岡山市)に属しており、このような実施地区が全国に36地区あるという。なお、 宮島地区パークボランティアの会事務局は、広島自然保護官事務所内(広島市中区)にある。そして、宮島桟橋待合室二階には、環境省広島自然保護官詰所がある。

パークボランティア活動の大きな柱として、自然観察会等における解説があり、それと合わせて、樹木名を書いたプレートの管理等も行っている。 また、宮島地区パークボランティアの会として、江戸後期「厳島図会」にあるような、みごとな満開の桜を現代の宮島に蘇らせようと、最近活動を開始している。

その内容は、活動の主体となっている住民団体に協力して、島内全てのサクラ(約1,500本)を一本ずつチェックする、というものである。データ (サクラの種別、幹の直径および生育度)は広島大学付属宮島自然植物実験所で分析するとのこと。中国新聞2005年4月15日(金) 付け記事参照

今年度(2005年度)の予定:
10月16日、歴史散策(街中)
11月23日、もみじ(街中)
2月5日、歴史(鷹ノ巣砲台跡)

宮島桟橋前広場~モミヂ歩道~包ヶ浦自然歩道~包ヶ浦

桟橋前広場のクロマツ。雌花がすーっと伸びて先端が赤く3つに分かれている。この雌花は、基部にある雄花が大量の花粉を出し切った後に伸びてくるのだという。自家受粉を避けるためだ。アカマツの雌花は赤、クロマツの雌花は白、など、マツ一つとっても奥は深い。

枝垂桜に花が残る。エドヒガンの変種。荒々しい幹を持つ。

以下同様にして、後日読んだ本の内容も参考にしながらまとめてみた。

ロープウェイ入口に向かって歩く。イロハモミジが花をつけている。初めて見た。イロハモミジ:縁に不整の鋭鋸歯かやや重鋸歯
オオモミジ:鋸歯は細かく左右がそろう

モミヂ歩道に入る。

ヒメヤマツツジ:夏葉が越冬して残る。雄しべ5本
コバノミツバツツジ:葉に先立って、枝先に1~3個の花をつける。雄しべ10本
ヒメイタビ、ミツデウラボシ(裏に星)、マメヅタ、崖っぷちの観察も楽しい
アオテンナンショウ(帰り道で、ナンゴクウラシマソウ)
「花のアルバム-広島の自生植物-」には、(宮島・弥山登山道沿いで)ナンゴクウラシマソウと思われるものがアオテンナンショウと混生している、とある。

シロダモ:若葉が小さな傘を閉じた格好で伸びている。表面が黄褐色の絹毛でおおわれており美しい。
ミミズバイ:花芽が着いている。南方系で標高300m以下
サカキカズラの羽毛を見つける。中に種子がたくさん入っている
オガタマノキ:一円玉の表側(年号の入っている方が裏)のデザイン?
というのはどうもほんとうではないらしい

ナワシログミ:実が熟している(開花は昨秋)
ミヤマガマズミ:白い花(花冠は径6~8cm、先が五つに裂ける)
葉の表面に毛はほとんどなく「つるっと」している
ウリハダカエデ:薄緑色の花(総状花序5~10cm)が垂れ下がっている
カナメモチ:
コシダ:茎はサルのオヤツ。北限は福島県
いわき市小浜のコシダ-ウラジロ群落は、県の天然記念物指定

シャシャンボ:和製ブルーベリー、葉先は鋭くとがる
葉裏主脈の所々に小さな突起あり
ヒサカキ:葉先は鈍い
カンコノキにテイカカズラが巻きつく
スノキ:花をみる
クロキ:新枝に稜あり
カナメモチ:ノコギリ葉

ホウロクイチゴ:葉裏にトゲあり、シカ食べない
フデリンドウ:春にリンドウをみるのは初めて
シハイスミレ:葉裏が紫
ソヨゴ:葉の縁が波打つ
サルトリイバラ:淡黄緑色の花(散形花序、雌雄別株)
クロバイ:花咲き始め(総状花序)、白い花はまだ開いていない
イズセンリョウ:
ヒメハギ:登山道上で踏みつけられてかわいそうなくらい小さい
ネズ:
ネジキ:去年の実が残る

博打尾で一旦休憩
紅葉饅頭をいただきながら、毛利元就奇襲の顛末について、歴史講義あり
私家本「厳島合戦」300円
そばには、ミサゴ(タカの仲間、羽を広げると1m80㎝)観察中のグループ。そういえば、中国新聞か何かで、台風で痛めつけられたミサゴが再び巣作りを始めたという記事を見たような。

ガマズミ?、クロバイ、トキワガキ、アオダモの白い花が満開、風がありデジカメでうまく撮れないのが悔しい。ニガイチゴ、ヤマモモ(オス、メスの花)、イタビカズラ

昼食予定地点の包ヶ浦自然公園に着く。
昼食後、「シカを救うのはわたしたち」、「宮島のハイノキ科植物」と題する紙芝居2題。宮島のサルに人間が餌をやらない活動を開始して10年余り、ロープウェイ終着駅そばでもサルをみることはなくなった。シカも野生に帰すのが正しい処置であろう。ただし急激に方針を変更するわけにも行かない。

パンフレット裏表紙のシカの絵、「森の中でこんなりっぱなシカが見られたらいいね!」。2005年03月19日(土)に、大きな角を生やした雄シカに出会ったんだな。室浜砲台跡のちょっと先の森の中だ。怖かったけどきれいな目をしていた。

包ヶ浦~管理センター前~(旧道)~宮島桟橋

解散予定地点の管理センター前に向けて移動を開始する。
ヤマモガシ:
カンザブロウノキ:花芽がでている。葉が裏へ巻く
イヌガヤ:花が満開
クスノキ:古い葉は紅葉して落葉する。今いっせいに新葉と置き換わっている
アラカシ:花
キランソウ:茎は直立せず、四方に広がって地面をはう
カンコノキ:トゲあり

解散式の後も、三々五々、各リーダーを中心に宮島桟橋まで旧道を歩く。
ヤマフジ(左巻き)、シロダモ、カギカズラ、イヌザンショウ(トゲずれる)、ザイフリボク(白い花)、カンコノキ(木の上の方ではトゲがなくなる)、イヌビワ(実)、ナンゴクウラシマソウなどなど。

包ヶ浦自然歩道は、(宮島桟橋、海抜0mから)紅葉谷入口(標高約40m)~最高点(標高215.8m)を経て、再び海抜0mの包ヶ浦に至る。ほとんど坂らしい坂もなく植物観察に最適である。快晴の楽しい一日を過ごすことができた。

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『孫と歩く~ユネスコ世界文化遺産の島・厳島~』

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なお、初版刊行後も加筆修正を繰り返しています。